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SCP-1082-JPとは、シェアード・ワールドSCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。


名は『母犬のために』。

概要

SCP-1082-JPはハーネスギャグの絵が描かれた印刷物である。ハーネスギャグとは口に嵌めることで対の発話を制限させる一種の性具であり、SMプレイで用いられている。この印刷物の裏面には「母犬のために」と筆記で書かれている。経年劣化と思しき変色をしているにも関わらず、SCP-1082-JPは新品の上質と同等の強度を持つが、それ以上の物理的な異常性は持っていない。

この印刷物SCP-1082-JPを人間の顔や頭に押し当てることでその人間に描かれているハーネスギャグ時に現れて装着される。このハーネスギャグ物理的に異常耐久性を持ち、破壊することはできない (つまり装着されたが最後死ぬまで外すことはできない) 。なお焼損や融解は可だが当然装着者の死を招く結果になる。また、装着者が亡くなった場合はハーネスギャグは外すことができ、かつ異常性を喪失する。

そして、ハーネスギャグが出現すると装着者は当然困惑するが、その直後前腕部と手首、膝、脛、足首の腱を未知の手段で損傷され、具を扱ったり立ち上がって歩行することができなくなる。更に装着者は摂氏40度以上の高熱を発症し、女性は下部、男性は全身に苦痛を呈して暴れ始める。そのまま体格は急速に縮んで乳房と臀部が膨らみ若い女性のような体つきに変化する (男性にも女性器が出現するとともに、男性器が組織の死滅によって性的不能になる) 。そして更に高熱を発症して大に深刻なダメージを負うことでその人物は論理的演算力や言語表現力、視覚処理力を喪失してしまう。

こうして、障害を負った状態かつ、顔にハーネスギャグがついた若い女性完成するわけだが、更に悍ましいのはここからである。この状態になった装着者――というよりもはや犠牲者であるが、彼女たちはを押し当てた人間への強い着と依存を示し、かつPTSDを発症し、手足が満足に動かせないことによる強いストレス障害を示して自傷行為を見せる。かつ、犠牲者たちは自ら苦痛を訴えられなくなるうえに、以下に述べる理由も合わさってこれらの兆を発見できなくなってしまう。

SCP-1082-JPの異常性はここからが頂である。

SCP-1082-JPの犠牲者を、押し当てた人 (わかりやすく加害者としておこう) とは別の人が見た場合は、四つん這いでハーネスギャグをつけた若い女性――ではなく、雌の大に見える。つまりそういう認識災害を引き起こすため、仮にSCP-1082-JPの犠牲者が他者に露見しても、加害者とじゃれているようにしか見えず、性的倒錯ぶりがバレることはない。そのうめきも他者からは発情した雌のそれにしか聞こえない。これによって犠牲者と雄犬とが交尾することさえあるらしいが、それによって妊娠したらどうなるのか、加害者視点では犠牲者と雄犬交尾はどう見えているのかは報告書からは検閲されていて不明である。

上記の異常性は本人だけでなく本人を写した写真映像、本人を描いた絵画にすら及び、犠牲者は以前から一頭のであったと周囲に理解させる。そこに矛盾があったとしてもSCP-1082-JPの異常性を知らない限りは事実として受け入れてしまう。かつ、SCP-1082-JPの異常性を知っていても認識改変だけが緩和されるだけであり、犠牲者をのように知覚する効果は防ぐことができない (なのでの前でSCP-1082-JPを押し当てると、加害者以外は突然人間に置き換わるように見えてしまう) 。

かつハーネスギャグが非活性化する (つまり装着者が亡くなる) 状態になっても、あくまでその認識改変効果だけが非活性化し、過去に遡って起きた記憶を取り除くことはできない。だから犠牲者が亡くなったあと、ハーネスギャグが脱落した死体を見せても家族や知人はそれが誰だったかわからなくなってしまう (彼らにとってはの姿でしか記憶されていない) 。ちなみに死んでもハーネスギャグを外せるようになるだけで、ハーネスギャグが脱落するまでは認識改変効果は持続するようだ。


ちなみに本オブジェクトが発見された経緯も「の鳴きうるさい」という隣人トラブル自治体に寄せられていたことに起因する。この自治体ではどういうことかペットの失踪が相次いでおり、財団がなにかしらのオブジェクトの存在を疑って潜入していたのであった。財団がトラブル解決のためにの飼いのもとに訪問すると、縄で四肢を固定された状態のグレイハウンドが中に発見されたのであった。

そしてこの「飼い」はSCP-1082-JPやその「グレイハウンド」について嬉々として解説してくれたため、財団はこの飼い拘束し、記憶処理を行った。その後、この飼いAKI産業なるハンドルネームを持つ技術者インターネット掲示板しくなっていたことを発見している。財団はこの人物が「飼い」にSCP-1082-JPを譲渡したと見て調べている。

と、ここまで悍ましいオブジェクトの実態について見てきたが、これだけだと財団としては一介のSafeオブジェクトで終わっていた。確かに起こす異変こそ恐るべきものだが、「顔に押し当てないと」効果が発現しないのだから、「やらなきゃいい」だけなのである。

しかし、ある日火葬場で「ペットを火葬したら人の遺体が出てきた」という通報があった。火葬場の職員は運び込まれたダルメシアン遺体が、覗きから火の状態を確認している時にいつのまにか人間遺体に入れ替わっていたことを言。遺伝子調を実施したところ運び込んだ男性の実であることがわかったため、財団は男性に話を聞いた。しかし男性遺体に見覚えがないと発言。

財団が男性から発見されたアルバムから、男性と見られる幼児がある女性授乳されている写真を見せ、「遺体はあなたの母親ではないですか」と再度問うたが、自分の母親飼育していたダルメシアンであると回答されてしまった。

炉からはハーネスギャグの一部と確認された金具も発見されており、かがこの男性母親にSCP-1082-JPを押し当てた (男性自身であれば男性母親ダルメシアンであると認識するはずがない) ことが推察される。

このことから、財団は未回収のSCP-1082-JPがあると考え、オブジェクトクラスEuclidに再定し捜索を行っている。

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なお、SCP-JPではどちらかというとのほうが認識を起こすオブジェクトが多い。

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