デジタル革命は、
メディアをそのつど01の
数字列から
メッセージを生成するマト
リクスへと
進化させた。以後、
メディアは自ら存在者 -
ヒトやモノ - との関係を制御し、
ハイパーテキストの原理からなる
メッセージが
インタラクションによって変化しつづける
プロテウス的なプ
ラットフォームへと姿を変えた。
デジタル・
メディアとは、あらゆる関係性の自
律的な生成の場であり、
無限の
記憶の貯蔵庫であり、
ヒトの
行動を予め決定している
プログラムであり、いつでもどこからでも存在者を現前へと呼び出すことができる。
全ての知識とモノとを
百科全書的に一致させ、
ライプニッツの形
而上学が
定義するような「
モナド」としての
情報端末からの固有の
視点をとおして全存在者と
コミュニケートし合い全
宇宙を映し出す。
デジタル・
メディアは、
世界のあらゆる
情報の – <形
而上学> 的な - 組織化を成就しつつあるとさえ言えそうなのである。
我々は既に
デジタル技術が特別なものでない
ポストデジタル時代にいるとするキム
カスコーン (Kim
Casc
one) 、
松本良多 (Ryota
Matsumoto) による説もある。
デジタルツールは
アート作成においてその重要性を増している。
ロイアスコット (
Roy Asc
ott) は
乾いた
デジタルメディアと湿った
生物的
システムの
融合による「
moist
media」こそが21世紀の
アートであるとした。
デジタル写真と
デジタル印刷は既に
美術館や
ギャラリーでも広く受け入れられている。
デジタルアートは画像だけでなく、
ロボットによる
イラストレーション、
ネットワーク上の
アート、
ソフトウェアの
アートなどに広がっている。
デジタルアートを収集する
美術館も増えてきた。