インフルエンザ菌 単語

インフルエンザキン

医学記事 【ニコニコ大百科 : 医学記事】
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

インフルエンザ菌とは、細菌の一種である。

歴史背景から「インフルエンザ」という名前が付いてはいるが、この細菌インフルエンザの病原体ではない。(インフルエンザの病原体はインフルエンザウイルス

概要

パスツレラ科のヘモフィルス属に属する細菌である。

健康な人ののどやの中にもいる常在菌で、ときに中炎や副腔炎、気管支炎細菌肺炎、結膜炎などの感染症の原因となることがある。

インフルエンザ菌の中でも特にHib(ヒブ)と呼ばれるタイプB型インフルエンザ菌)は危険であり、血液中に侵入して敗血症や化膿性髄膜炎、急性喉頭蓋炎などの重大な病気を引き起こすことがある。化膿性髄膜炎は現代でも致死率が10%程度もあるとても怖い病気である。

治療は抗生物質が使用される。ただし剤耐性菌もあるため注意が必要である。重症の場合は入院が必要である。

B型インフルエンザ菌(Hib)に限り予防接種(Hibワクチン)が開発されている。

日本感染症法では五類感染症となっている。

歴史

19世紀末インフルエンザ(当時はロシア風邪と呼ばれていた)が流行した際に北里三郎インフルエンザの病原体としてインフルエンザ菌を発見したが、当時は(細菌とは異なり)ウイルスは存在自体が知られていなかった。

1918年新型インフルエンザ(当時はスペイン風邪)が流行した際に人々はインフルエンザ菌のワクチンを接種したが全く効果がかったため、「インフルエンザの原因はウイルスではないか?」と考えられるようになった。

その後、1933年インフルエンザの本当の病原体であるインフルエンザウイルスが発見されたが、インフルエンザ菌の名前は変更されなかった。

ただしインフルエンザの合併症としてインフルエンザ菌による細菌肺炎気管支炎がみられることもあるため、「インフルエンザとは全く関係がない細菌である」というわけでもないようだ。

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最終更新:2025/12/05(金) 22:00

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