カムイ(列車)とは (カムイとは) [単語記事]

カムイおよびライラックとは、JR北海道が札幌駅 - 旭川駅間を函館本線経由で運行している特急列車の名称である。

本項では、前身であるエル特急「スーパーカムイ」についても記述する。

概要

2007年 10月に789系 1000 番台の投入を機に運転を開始した特急で、それまでの「ライラック・スーパーホワイトアロー」を統合した列車。

略称はSカムイ
名称を統合した理由は……（お察しください）。
それまでの旭川－札幌間の特急列車の運転形態が『札幌止まり→ライラック』、『新千歳空港まで行く→スーパーホワイトアロー』となっていたため、利用客からは「分かりにくい」「なんで一緒にした」といった声が運転開始当初は上がっていた。

名称は近年のJR各社の愛称公募には珍しく1位になったものに決められており、カムイはアイヌ語で「神格を有する高位の霊的存在」という意味でもある。
なお、かつて急行「かむい」が「ライラック」に統合される1984年まで運転されていた。

札幌駅と旭川駅を80分で結んでおり、運転間隔は一部時間帯を除き30分ヘッドで運転されていた（28往復）のだが、高速道路との不当過当競争に敗北し、2010年（平成22年）12月ダイヤ改正にて閑散時間帯は運転間隔が1時間おきに減便されてしまった（24往復）。札幌発15：30と旭川発11：30は空いてて利用しやすかったのだが…。
また、この減便により旭川－北見間（石北本線）を走る「特別快速きたみ」に直接連絡する特急列車が無くなっている。
一部列車は札幌駅から千歳線に入り快速エアポートとして新千歳空港駅まで運転されている。

先代の「スーパーホワイトアロー」と同様、夏季及び冬季の閑散時間帯でも2～3分の遅れが出るのは変わっていない。
特に冬季の旭川方面へと向かう快速エアポート→スーパーカムイと変化する列車は、千歳線での遅れをそのまま引き摺り、函館本線では先行している普通列車に江別付近まで頭を塞がれるといった形で運行しているため、列車の遅れは常態化してしまっている。
車輌と運転士に無理させすぎなんです。JR北海道は。たまに回復運転の上手い運転士もいますが。

結局遅れの常態化を改善させる必要があったことや、直通運転による通しで乗る乗客が減少したため、2016年 3月のダイヤ改正で、新千歳空港駅への直通運転は廃止することになった（札幌駅～旭川駅間のみの運行）。

編成は785系・789系 1000 番台共に5両編成。市販の時刻表に使用車両は記載されておらず、使用される車両は運用の数日前に決まる。

2017年 3月4日のダイヤ改正で785系電車の置き換えとして789系0番台電車が導入されることに伴い、スーパーカムイを再編し、789系0番台で運転する列車が「ライラック」、789系 1000 番台で運転する車両が「カムイ」となった。同じダイヤ改正から「すずらん」もエル特急の名称が外れたため、JR北海道からエル特急の名称が廃止されたことになる。

基本的に両者の違いは両数やグリーン車の有無である。また号数は通算されている。

同じく2017年 3月4日のダイヤ改正で、車両老朽化への対応のため「オホーツク」「スーパー宗谷」の一部列車の運行区間を短縮（札幌駅 - 旭川駅間を廃止。短縮した列車はそれぞれ「大雪」「サロベツ」に改称）したが、これらには旭川駅で「ライラック」が接続する形で札幌方面のアクセスを担うこととなった（所定ダイヤでは「カムイ」は接続列車として設定されない）。同一ホームでの乗り換えや、特急料金・グリーン車料金の通算という形で乗り換えての利用客に配慮している。