急行用気動車として全国的に配置されたキハ58系は、非電化路線のスピードアップに大きく貢献したが、一方で次のような課題を残していた。
ちょうどそのころ、気動車の高速化を目指してキハ90系の試作が行われておりその成果を踏まえて500馬力級の新型エンジンDMH30系が実用化された。そのエンジンを搭載し、サービス電源を用意した上でキハ58にブースターとしてつなぐ車両として開発されたのが当気動車である。
ブースター用として割り切った設計となっている。
扉は車体強度を確保するため折戸式になっている。窓はキハ58系の1段上昇式に対して上段下降・下段上昇式のユニット窓になった。同時期に開発された12系客車と似た構成になっている。
全車にトイレや洗面所が設置されているキハ58との連結を前提としているため、トイレや洗面所は設置されていない。同様に最高速度も95km/hとキハ58とそろえてある。
車内は固定式のクロスシートが配置されているが、キハ58に比べてシートピッチが100mmほど広くなっている。
キハ58ではコストを意識していたため、コイルばね台車を履いていたが、キハ65では乗り心地を改善するため空気バネ台車を履いている。
また、キハ181系の自然冷却式放熱器の冷却能力不足が問題となっており、キハ58と混結運用するキハ65は安全性をとって敢えてコストがかかる強制冷却式のラジエターが搭載されている。
本系列が投入された1970年代以降、各地で電化の進展や急行列車の削減などにより、気動車急行が勢力を減らしていった。そのため余剰となった急行用気動車をローカル線の普通列車などに転用する措置をとったものの、キハ65にはトイレがない、エンジンの保守に手間がかかるなどの理由で持て余し、延命などをされずに廃車となる車両が少なからずあった。
一方で強力なエンジンを装備していたことから、各地でジョイフルトレインの種車として重宝され、さまざまな改造を施された車両もあった。JR西日本のエーデルシリーズやゆぅトピアなどがその代表例である。またJR東海では、快速「みえ」のために相棒のキハ58共々最高速度110km/h化改造されたものが3両存在し、5000番台となっている。
これらはJR四国・JR九州を中心に21世紀まで残存したが、JR九州で2013年まで残ったのを最後に全車引退した。
保存車両は、全国で唯一四国の愛媛県西条市にある四国鉄道文化館南館にキハ65 34が静態保存されている。幸いにも館内展示であり、保存のコンディションは良好である。
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最終更新:2024/04/25(木) 09:00
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