ゴールデンスリッパー(Golden Slipper Stakes)とは、オーストラリア・ローズヒルガーデン競馬場で10月下旬に開催される競馬の競走である。グレードはG1。
オーストリア国内における4大レース(本レース、コーフィールドカップ、コックスプレート、メルボルンカップ)の1つ。
他の3レースが3歳以上かつ中長距離なのに対し、こちらは2歳限定の1200m戦。3月に開催されるのだが、南半球では季節が真逆。日本で言えば9月に2歳最大のG1を開催していることになる
総賞金は何と500万豪ドル(1豪ドル=100円とすると約5億円)。繰り返すが、2歳戦で総賞金500万豪ドルである。
参考までに国内外の2歳G1レースと総賞金を列挙する。
そう、元々G1の賞金が低い欧州はともかく、日本やアメリカのレースをも上回っているのだ。
元々オーストラリアはスプリント戦(1400m以下)のレースを数多く開催しており、約330の重賞のうち、半数を超える約180がスプリント戦、G1だけでも29も用意されている。結果、短距離戦のレベルが非常に高い。
生産頭数も約14,000頭(日本で約7,000頭)と世界で2番目に多くサラブレッドを生産しているため、香港をはじめ輸出馬にも短距離に強い馬は多い。
これだけなら、ブラックキャビアやサイレントウィットネスなど数多くのスプリンターを輩出してきたことが説明つくのだが、2歳戦でこれだけの金額を設定している明確な理由は不明である。
このレースの存在が大きな要因と思われるが、オーストラリアの生産界は短距離に強く早熟傾向の馬を求めている。牡馬ならゴールデンスリッパーを勝つだけで種牡馬入りに値する。
日本からもグラスワンダーやモーリス、サトノアラジンにアドマイヤマーズなど、社台スタリオンステーションの馬がシャトル種牡馬として送り込まれている。また、ブレイブスマッシュのようにオーストラリアに移籍してから種牡馬入りするなど、他の国・地域以上に日本で活躍した馬の血を引く馬がオーストラリアには存在する。
その中には2歳G1を勝つ馬もいるのだが、ゴールデンスリッパーを勝利した馬は1頭も存在しない。ある意味凱旋門賞を勝つよりも厳しいのかもしれない。
ちなみに、2023年には安倍Shinzoという名前の馬が勝利したが、こちらはクールモア所有のスニッツェル産駒であり、名前以外で日本と深い関わりはない。
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最終更新:2024/11/30(土) 07:00
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