ダイハツ・シャレードとは、ダイハツが1978年から2000年まで販売していた小型車である。
ダイハツ初のFF車。
直列3気筒エンジンやディーゼルエンジンなど、それまであまり注目されていなかったエンジンを搭載、その後の小型車に大きな影響を与えたモデルであった。
2000年には生産を終了。
トヨタと提携後は小型車においてトヨタ車のOEM販売が主だったダイハツが、初めて自社開発したFF(フロントエンジン・フロントドライブ)の乗用車。前任モデルはトヨタ・パブリカのOEMであるダイハツ・コンソルテ。
1977年発売。敢えて振動面で不利な直列3気筒エンジンを採用。やや背が高めに設計された2ボックス・ハッチバックボディは現在まで続くコンパクトカーデザインのはしりの一つとなった。極めて小さくまとめられたこの車は「5立方カー」、つまり5立方メートルに収まる小ささを売りにするキャッチコピーを打ち出した。また、1000ccのエンジンだったことから「リッターカー」と呼ばれるクラスの始まりともなった。
このシャレードは上のような先進性と小型車としてのまとまりの良さが高く評価され、1978年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
1980年にマイナーチェンジ。
ヘッドライトを丸型から角型に変更。
1983年発売。
ガソリンエンジンのほかにディーゼルエンジンも用意されていた。何しろ80年代のテクノロジーによるエンジンであるのでディーゼルノック(いわゆるディーゼル特有のガラガラ音)はかなりひどかったうえ、直列3気筒のデメリットも手伝って振動や騒音は相当大きかった。しかし、ダイハツはむしろ開き直って「Rock'nディーゼル」と銘打ち、その音を楽しんでくれと言わんばかりだった。また、小型車ながら中低速域のトルクを活かしてゆったりと走り、経済性を発揮するという2020年代現在のMAZDA2の如きディーゼル搭載コンパクトカーの始祖ともいうべき存在である。
1984年にはデ・トマソを追加。
このモデルはイタリアのメーカー、デ・トマソが監修し、専用のエアロや内装が追加されたモデルだった。ターボエンジンを搭載。
また、グループBラリー用ベース車「926ターボ」が限定販売。これは、競技でのターボ係数によって排気量が認定され出走クラスが決まることから、1300ccクラスに収まる認定が得られるように、ノーマル車の993ccから926ccに減じたことから来たネーミングである。あと、「ポルシェ926」にイメージを引っ掛けたのもあった[1]。
さらに、926のエンジンをDOHC化してミッドシップに搭載。派手なフェンダーやエアロパーツで武装したさしずめルノー5ターボを思わせるラリーウェポンマシン「デ・トマソ926R」が東京モーターショーに参考出品され、話題を集めたが結局市販には至らなかった。
1985年にはマイナーチェンジ、ヘッドライトが異型に変更された。
1987年発売。
バブル真っ只中に販売されていたためか、歴代モデルの中で最もバリエーションが多いモデルとなる。
スタイルは尻下がりでスタイリッシュさを重視、より若年層をターゲットに取り込もうとした。
また、乗車人数は5人乗りではなく4人乗りであった。これはリアシートの利用率が低く、2シーター+αとして利用してもらおうという当時の開発コンセプトから。売出し直後のキャッチコピーは「さ、ツーサム」というちょっと気取ったもの。
エンジンは1000cc NA/1000cc ターボ/1000cc ディーゼルを搭載。
先代モデルで印象的だったデ・トマソはなかったが、ボツとなった上記のデ・トマソ926RのDOHC機構を組み込んだホットモデルであるGTtiが用意されていた。
しかし、このコンセプトは市場では受け入れられたとは言い難く、ボディの重量増で先代までの軽快さも失われてしまっていた。このために早々に路線変更を強いられる事になる。
1988年には一部改良を実施、乗車人数が5人乗りとなった。
また、エンジンに1300ccを追加、ホットモデルのグレード名がGT-XXに変更となった。
1988年7月の時点では、グレードは17グレード用意されていた。
1989年にはマイナーチェンジを実施、外装デザインが変更されている。
この変更により「KISSA(キサ)」、「セルジオ・タッキーニ」、「WILL(ウィル)」の、3つのスペシャルバージョンが追加された。
同年にはセダン「シャレード・ソシアル」が追加されている。
1990年に一部改良。
「セルジオ・タッキーニ」が廃止され、スペシャルバージョン「ポゼ」が追加された。
1991年には一部改良を実施。
グレードが大幅に廃止され、「GT-XX」、「KISSA」、「WILL」の3グレードに絞られた。
1993年発売。
このモデルでは1000ccが廃止され、ガソリンエンジンの1300ccのみの設定となった。この時点でもはや「リッターカー」ではなくなってしまった。
トランスミッションは5速マニュアルと電子制御式の4速オートマチックを設定。
燃費は10・15モードで22.0km/L(5速マニュアル)を誇っていた。ただし、「クルージングパッケージ」という燃費重視仕様車であり、エアコン・パワステなどが搭載されていないグレードのものであった。
同年8月には1500ccと4WDを追加。
また、お買い得グレードである「ポゼ」、スポーツモデルの「デ・トマソ」を追加設定した。
1995年にはマイナーチェンジを実施、デ・トマソ以外の外装デザインが変更された。
1998年には後継モデルであるストーリアが追加されたがしばらくの間継続販売され、2000年に生産を終了した。
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最終更新:2024/05/21(火) 19:00
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