カメラの中には、ロシアのロモ(LOMO)や中国のホルガ(HOLGA)といった、ごく安価なものがある。プラスチック製のレンズを採用したそれらのカメラが描き出す画は、被写体がぼやけていたり、周辺部が暗くなっていたりと、普通のカメラにとっては決して望ましいものではなかった。しかしながら、そうした写真の特徴的な写りに魅入られた人々がこれらのカメラをトイカメラと呼び、高く評価した。現在では独特な写りをあえて狙ったカメラが多く商品化され、カメラの1ジャンルを築いている。
デジタル写真の分野においても、トイカメラで撮影したかのような静止画・動画を撮影できるトイデジカメ(トイデジ)がラインナップされている。また、トイデジでない一般的なデジタルカメラの中にも、画像をトイカメラ写真風に加工できる機能を備えた物があるほか、そうした加工をWEB上で行えるサービスや、iPhoneのカメラと連動するアプリがある。
トイカメラ業界でもデジタルが増えつつあるが、未だ多くはフィルムを使用している(35mm、中判など機種によって様々)ため、フィルムを支える一端でもある。
所謂ファッションやおしゃれといった側面があるため、雑貨店などでも購入できる。安価といっても数千円はするので注意。
ほかにも組み立て式のものや今ではアナクロな二眼レフ、ポラロイド、魚眼レンズ、ピンホール、キーホルダーサイズの小さなものまで多種多様。また科学系雑誌の付録などにカメラが付属する場合があるが、これらはプラスチックの組み立て式でありその点ではトイカメラと何ら変わらない。
トイカメラとはすなわち、「露出とかシャッタースピードとか難しいことは置いといて面白い写真が撮りたい」、「気軽に写真が撮りたい」という人向けのカメラである。
写真フィルムの現像法に、クロスプロセスというものがある。これはネガフィルム用の現像液でポジフィルムの現像を、ポジフィルム用の現像液でネガフィルムの現像を行うという手法で、本来の現像をした場合と大きく異なる色合いが得られる。トイカメラで撮影したフィルムをこの方法で現像することで、一層独特な風合いの写真に仕上がる。
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最終更新:2024/11/15(金) 23:00
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