パンの記念日

パンの記念日とは、4月12日である。「パンの日」とも呼ばれ、毎月12日はパンの日ともされる。

概要

日本にパン食が普及し始めるのは江戸時代の開国や明治時代の文明開化以降である。しかし、それ以前にパンが一部で製造されていた。

1543年にポルトガル人によって鉄砲とともにパンが日本に伝来する。しかし当時は南蛮貿易で来日する外国人用に作っていただけで、日本人にはあまり普及していなかった。そのまま鎖国の時期に入っても、パンはオランダ人向けにもっぱら作られ続けていた。

1840年、アヘン戦争で清が敗北したことを受け、諸外国の脅威を感じた江戸幕府は、伊豆韮山代官の江川太郎左衛門（江川英龍/江川坦庵）に江戸湾の警備を命じた。江川は大砲を作るのに必要な韮山反射炉の建設や、大砲の台場（現在の東京のお台場付近）を築造するなど活躍した。

それら江戸湾の警備の一環事業として、江川がパン作りも始めた。当時の長崎のオランダ屋敷に料理方として勤めていた作太郎という人物に製法を学んだとされている。1842年4月12日、戦争の際の食料として「兵糧パン」という現在の乾パン・堅パンに近いものを製造する。兵糧がご飯の場合、べたついて持ち運びが不便であった。仮に炊いていない状態の米を持って行っても、炊く手間がかかってしまう上に敵に居場所がわかってしまうという問題もあった。そのため、パンが注目されたのである。

しかし開国まで戦争は起きなかったため結局このパンは普及せず、開国後に外国人居留地から一般的なパンが広まっていった。だが、この功績があり江川は現在では「パン祖」の名でも知られている。

当時の兵糧パンの製法は2012年に判明しており、牛乳・小麦粉・卵を入れる一般的な製法のほか、甘酒で発酵させてから焼きあげるものもあったという。

現在静岡県の「蔵屋鳴沢」が「パン祖のパン」として兵糧パンを再現して販売している。江川邸など、伊豆の国市内の各所で販売されているほか、ネットショップにも対応している。

関連静画

関連リンク

• 山崎製パン「パンの歴史館」
• Yahoo!ライフマガジン編集部「今日はパンの日〜日本初のパン「兵糧パン」の生みの親をご存じ？」
• 蔵屋鳴沢直営ネットショップ「パン祖のパン」

関連項目

• 記念日の一覧
• パン
• 江川太郎左衛門
• あんぱんの日（4月4日）
• フランスパンの日（11月28日）