ペーター・スローターダイク(1947~)とは、フランクフルト学派に批判的なドイツの思想家、社会学者でありメディア論者でもある。
カールスーエの出身で、1975年にハンブルク大学で博士号を取得した。1980年代からフリーランスの著述家として一世を風靡し、2001年よりカールスルーエ造形大学の教授を務めている。
スローターダイクの出発点となったのが『シニカル理性批判』である。彼は、批判を権力に対する批判・抵抗であるキニシズムと現実肯定的な嘲笑・冷笑であるシニシズムの二項対立に分け、ファシズムが蔓延したのは社会にシニシズムが蔓延したため、という主張を行った。
この著作によってドイツにポストモダン派が誕生したと広く迎え入れられ、フランクフルト学派であるハーバーマスとは次第に対立するようになる。それが決定的になったのが1990年代の『「人間圏」の規則』であり、この論文の発表によってハーバーマス側からスローターダイクを危険思想家とみなす「スローターダイク論争」が起きたのである。
彼はこの論文でニーチェの「超人」概念を遺伝子工学に結び付け、人間改造の可能性が開かれつつある中「人間の死」が訪れ「超人」が誕生し、また通信技術の発展でコミュニケーションの在り方が変わり「書物の死」が訪れ、このふたつによって「ヒューマニズム」が終焉を迎えようとしているのである。そのため「ヒューマニズム」に依拠しているフランクフルト学派には死亡宣言が突き付けられ、その保守性と硬直性が暴露された、というのがスローターダイク側の主張である。
彼自身はヒューマニズムの終焉に対して批判することなく、これを正面から受け止めて肯定する、という立場にあるようだ。
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最終更新:2024/12/02(月) 05:00
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