フランクフルト学派 単語

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フランクフルトガクハ

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フランクフルト学派とは、大体1930年代以降フランクフルト大学社会研究所によって活躍した研究者達のことである。

概要

フランクフルト学派は俗に『自由左翼』や『批判左翼』とも呼ばれるように、独自のマルクス義的近代文明批判をその特徴としている。研究所自体はナチスによって閉鎖されるが、機関誌の『社会研究』は亡命中もフランスアメリカで10年余り発行が続いた。この亡命中の機関誌で活躍した人物達はフランクフルト学派の第一世代とされ、戦後した研究所で活動した学者は第二世代と呼ばれる。

フランクフルト学派に共通する特徴として、以下のものがある。

  1. 広義の実義への反対の立場を示している。
  2. マルクス批判的態度を継承している。
  3. 社会批判理性批判を統合している。
  4. 独自のユダヤユートピア意識を持っている。
  5. 弁証法的解釈を用いている。
  6. フロイトをはじめとする実科学の成果も批判的に吸収する。
  7. 哲学科学芸術近代全般にわたって根底的な批判を行う。

フランクフルト学派は60年代に、管理社会の中で疎外された人々の状況への批判者として一躍際的脚を浴びた。フランクフルト学派によれば、近代技術的合理性は全ての人間に対して中立的なものではなく、それは本質的に支配と結びついている。技術的合理性特性は、第一に自然に対する支配であり、第二に人間に対する支配である。「知はなり」をキャッチフレーズ自然を支配し続けた近代文明は、人間の中にある自然生理欲求)の抑圧と、人間社会的支配という二重の代償を人類にめた。現代社会における社会的支配の根幹は実は近代技術の自然支配という合理義にあるのだ。

フランクフルト学派第一世代ではフリードリヒ・ポロックフランツ・レオポルトノイマンオットーキルハイマー、レオ・レェーベンタールなどが経済政治、法、文学など多方面に渡って才を発揮した。

他にも有名なのは、『自由からの逃走』を書いたエリヒ・フロム中国社会論で名を馳せたカール・ウィットフォーゲル。さらにフランクフルト学派の代名詞となった「批判理論」を提唱したマックスホルクハイマーと、彼と共同で『啓蒙の弁証法』を著した、テオドール・W・アドルノを紹介しておかなければならない。

ホルクハイマーが提唱した批判理論とはマルクスが著作『経済学批判』での資本主義社会と、当時支配的であった近代経済学への批判を受け継いで、時代への危機意識の高めた社会批判的な理論の総称ことである。彼らはマルクス批判した経済だけでなく、文化、心理、国家家族などを包括的に理論に取り入れた。この理論にはドイツマルクス学者であるジェルジ・ルカーチ(この人はフランクフルト学派でない)のが幾分か見られる。

詳しくはこちら→『伝統理論と批判理論

マルクス義的芸術評論家テオドール・W・アドルノは社会における芸術の特殊性に注し、哲学芸術を結びつけた社会批判を展開した。ホルクハイマーとアドルノは2人で西洋マルクス義の代表的な論文となる『啓蒙の弁証法』を書き上げる。

詳しくはこちら→『啓蒙の弁証法

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