ワンマン運転とは、車掌を乗せず運転士のみで運行する電車やバスの運転形態である。
ワンマン運転は主に人件費削減のために実施される。
通常、ドアを開閉したり放送で案内を行ったりするのは車掌が行うが、ワンマン運転では運転士がこれらの業務を行う。しかし運転士が運転操作をしながらすべての放送を行うのは危険なので、一般的には自動アナウンスによる放送を流すことによって案内が行われる。
車掌がいない以上は通常の列車よりも監視要員が少ないので、安全確保のために側方監視モニター(またはミラー)を設置したり、車内に防犯カメラを設置したり、デッドマン装置[1]を設けるといった対策がなされている。
舞浜リゾートラインのように車掌(夢の国では「ガイドキャスト」と呼称する)だけを乗せて、運転士(同様に「ドライバーキャスト」と呼称する)を乗せず自動運転を行うという形態も存在するが、これは一般的にはワンマン運転と言わない。
ワンマン運転を行う鉄道路線はローカル線に多く見られる。このような駅では改札がないことが多いため、乗客は以下のステップで乗降を行う。(あくまで一例であるため、実際の乗車方法は現地で確認すること。)
すなわち、「車掌が省略されている」「(本来は車掌が行う)運賃収受を運賃箱で行う」「乗降ドアが制限される」のが(地方型の)ワンマン運転の特徴である。
ただしこのようなワンマン運転を行う路線であっても、不正乗車が多いなどの理由で改札要員や案内係が乗ることがある。しかしあくまで係員であり車掌ではなく、ドアの開閉は運転士が行うためこれも「ワンマン運転」である。
都心部の地下鉄などでは、利用客が多い路線にもかかわらず「○○線は、ワンマン運転を行っております。発車サイン音が鳴り終わりますとドアが閉まります……」といった放送が流れることがある。
もちろん、ワンマン運転だからといって一番前のドアからしか降りられないというわけではない。利用客が多く、全駅に改札が整備されている路線では単純に人件費削減のために車掌を省略しているのである。
すなわち、「車掌が省略されている」「運賃収受は駅で行う」「どのドアからも乗降できる」のが都市型ワンマンの特徴である。
また、近年ではICカード乗車券が普及したことにより、ローカル線の無人駅であっても「駅の簡易改札機で精算ができる」ことから運賃収受を列車内で行わないことも増えている。特に首都圏ではICカード普及率が高く、水戸線などは「乗客を信頼する」形でワンマン運転化(しかも全てのドアを開閉する)し、列車内には運賃箱すら設置していない[2]。このような形態も一応は都市型ワンマンと言えるが、事実上の信用乗車制度とも言える。
他にもJR九州ではローカル線の普通列車はおろか、一部の特急列車でも都市型ワンマン運転(事実上の信用乗車制度)を行っている。地方型に比べ都市型は乗降時間が縮減できるというメリットがあるため、列車に遅延が生じにくい。しかし自動改札がない無人駅での不正乗車の抑止効果は地方型に比べかなり低い。
現代の路線バスは、ほぼすべてと言っていいほどワンマン運転になっている。かつては車掌が運賃を収受し、ドアを開閉し、案内を行っていたが、今では見ることができない。
バスの場合も鉄道の地方型ワンマン運転と同様、運賃箱で料金を収受し、指定された扉で乗降する。
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最終更新:2024/11/08(金) 09:00
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