このヴィーキングとはヴァイキングを北欧地域での発音にしたものである。彼らは北欧のスカンジナビア人であり、8世紀から11世紀にかけてヨーロッパ各地に交易や略奪目的で進出していった。
このヴィーキング・ソードはヴァイキング達が使っていた武器の一つであり、特徴的な柄頭の飾り(ポメル)と中央に溝のある幅広の剣身を持つ。概ね直剣であるが稀に直刀も存在した。
ポメルは金属製であり滑り止めの役目を持つだけで無く重心を手元に寄せる重りでもあり、これがあるおかげで片手での操作を容易にしている(切りつけた際の威力を高める効果もあった)。
ヴィーキング・ソードの剣身の中央にはフラーと呼ばれる幅広の溝が彫られているが、これは刀剣そのものを軽くし折れにくいように柔軟性を持たせる効果があったといわれる。また剣身には様々な紋様が浮かんでおり、これは模様鍛接と呼ばれる作成法によるモノの場合とただの飾りの場合があった。
分類的には、アーミング・ソード(またはナイトリー・ソード)と呼ばれるロングソードの前身の一種とされる場合と、そのさらに前段階の形式とする場合がある。
ヴァイキング達が活動していた時代は暗黒時代ともいわれているが、この暗黒時代における刀剣という武器は非常に高価で普及していたとは言いがたく、所持携帯出来たのは貴族や族長などの富裕層・特権階級などの一握りに限られていた。このヴィーキング・ソードも例外では無い。
特別な感情を持たれることもあり、刀剣を家長が後継者である息子に刀剣を譲ることは重要な儀式であるとも考えられていたし、単なる武器ではなく使用者の死後、その魂を天国へと導く魔法の武器とも見られていたという。
また当時は持ち主が刀剣に持ち主だけの名前を付けることが一般的であり、持ち主・使い手の数だけ呼び名が存在した。(例、″荒々しいもの″、″足下を噛むもの″等と付けられる)
なお、多くのヴァイキング達が用いた武器は主に投げ槍にもなる短槍や戦斧の他、サクス(鉈と刀剣の中間)、棍棒などがある。
この剣の使用方法は、はっきり分かっていない部分も多い。一応分かっているのは盾をいかに避け、非装甲部分を斬りつけるかが重要とされており、戦闘の序盤では槍や斧を使い、剣はその後で状況を見計らって使用した。
また、幅広の剣身はイメージに反してかなり薄く、切っ先も後世の直剣に比べ鋭くないことから、この剣は斬擊主体であり刺突はあまり重視されなかったと推測されている(ただし刺突した場合でも充分な殺傷力を持っていたとされる)。俗に言われるような、棍棒のように扱う武器でもなかった。
ヴィーキング・ソードの剣身の作成方法には、模様鍛接と呼ばれる工法が用いられる場合が多かった。この工法は、2世紀頃から使われ始めたとされ様々な種類があった。考え方としては日本刀や中国刀のように硬い鉄と柔らかい鉄を組み合わせ頑丈な刀剣に仕上げるというものである。
具体的には、性質の異なる鉄を紐状にしてねじり合わせたり、あるいは、板状にした性質の異なる鉄材を積み重ね一体化させてからねじり合わせたりといった感じである。(これらの鉄材はそのままでは使えないため、事前にハンマーを用いて折り返し鍛錬を施してある。)
この工法は中世の後半に東方からの製鋼技術が伝わると廃れ、単一の柔軟性の高い鋼材を刀剣型に成形してから浸炭処理を施すという工法に移っていく。
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