愛のあるユニークで豊かな書体とは (アイノアルユニークデユタカナショタイとは) [単語記事]

┌書体名Ⓒ └	FONT-NAME
	愛のあるユニークで豊かな書体
	とは、株式会社写研の書体見本で用いられたサンプル文章｡
	愛のあるユニークで豊かな書体30愛のあるユニークで豊かな書体30愛のあるユニークで豊かな書体30愛のあるユニ

概要

写真植字機および同機械向けの書体を製造販売していた、株式会社写研の書体見本帳に用いられたコピー・商標であり、サンプルテキスト。

シンプルながらに漢字・ひらがな・カタカナの中でも特徴の多い文字が一通り揃った名文句で、写研の代名詞の一つとなっている。かな書体の場合には「ユニークでゆたかなあいのもじ」という文言が使われた。90年代以前にデザインや組版、印刷などに関わった人であれば一度は目にしたことがあるだろう。他社のコピーもこれに雰囲気の似ているものが多い。写植時代のモリサワのサンプル文は「美しい写植の文字でアッピール」だったりした。

これは70年代後半が初出で、それ以前は「駒鳥が巣を造る頃故郷ノ山川ヲ想ウ」「美しく高雅な写真植字の書体」など都度様々な文言が使われていた。

写研においてはことあるごとに広告などに用いられるなど「愛」が最も基本的な文字として位置づけられており、写研書体制作部門で最初に製作される基本の文字の中に「愛」が含まれていたり、「好きな漢字」でアンケートを取った際には「愛」が一位を獲ったり、創立50周年記念ソング「写植のうた」でも、一言目に「愛という字がある」と歌っている。

写植が衰退した平成後期では見られる機会は減少していたが、読み上げられたフォント名からそのフォントが印字された札を取る「フォントかるた」の取り札の文言に使われるなどして今日まで日の目を見ている。同かるたの関連書籍の書籍名に至っては、そのまま「愛のあるユニークで豊かな書体」となっている（一連の商品出版にあたっては写研の許可を得ているとのこと）。

また、2021年に写研がデジタルフォントリリースを発表してホームページを開設した際には、企業理念を「愛のあるユニークで豊かな書体で社会に貢献する」として打ち出した。また書体見本などの見れるサイト「写研アーカイブ」では一覧において縦一列表示にするとこの文言が表示されるようになっている。