田尻鑑種とは (タジリアキタネとは) [単語記事]

田尻鑑種（たじりあきたね）（生没年不詳）とは、蒲池鑑盛の義弟ながら、龍造寺家に仕えて蒲池鑑盛戦死後の蒲池一族抹殺に与した筑後の豪族であり、朝鮮出兵時の従軍記録「高麗日記」を著した戦国武将。

概要

筑後国の国人領主・田尻親種の子に生まれる。姉の乙鶴姫は蒲池鑑盛に嫁いでいる。

始めは豊後の大友氏に属して大友宗麟が龍造寺隆信の佐嘉城を攻めた際には蒲池鑑盛と共に水軍として従軍し、今山の合戦による鍋島直茂の奇襲により戦況が龍造寺隆信に傾くと、大友宗麟の意向を受けて龍造寺隆信との和睦を仲介し、その後、龍造寺隆信についた。

龍造寺隆信が、田尻鑑種の大友時代の同僚・三池鎮実を攻めたときには先陣を務める等、龍造寺隆信の筑後侵攻に協力し、耳川の戦いで義兄・蒲池鑑盛が戦死した後は、龍造寺隆信による蒲池鎮並及び蒲池一族抹殺において中心となって蒲池一党を討ち果たすという同族同士が血で血を洗った「柳川の戦い」に関与した。

しかし主と仰いだ龍造寺隆信の命令とはいえ、義兄の一族の抹殺に手を貸してしまった事や、龍造寺隆信も絶体絶命の危機の際に蒲池鑑盛に助けられていたのに、その恩も忘れた不義を行ったと周囲から鬱積を買った事もあって龍造寺隆信に反発した田尻鑑種は、島津義久に内通して龍造寺隆信に対抗したが、鍋島直茂と秋月種実のとりなしもあって田尻鑑種は開城し、龍造寺家当主となった龍造寺政家に起請文を出して忠誠を誓った。