翔び去りしものの伝説 単語

トビサリシモノノデンセツ

翔び去りしものの伝説とは、日本小説である。作者都筑道夫

概要

雑誌奇想天外昭和51年(1976年)4月復刊号から昭和53年(1978年)7月号まで連載された後、1979年1月20日奇想天外社から第1刷が発行。作者都筑道夫は芝居好きがこうじて、劇作家になろうとするも小説のほうが向いていると言われ小説家になった人物であり、専業になるまでは出版社で、雑誌編集、翻訳などをしていた。出版社時代に推理小説を手掛けていたのもあり、推理ものをよく書いていたのだが、この作品はスペースオペラという注文で受けたらしい。それを承知しながらもヒロイックファンタジィの味をくわえようとひそかに企て、当初のスペースオペラという肩書も書き換えられたくらいにヒロイックファンタジィの味が濃くなったとのこと。 

この作品は日本作家の手による最古級の異世界転生要素を含む小説である。八巷二は喧嘩の末に26歳で死亡したが気づいたらウエラという名で呼ばれ別人となり陰謀の駒となっていくという流れ。現代の東京の副都心で死んだ八がどんな経歴でどんな性格の人物かは書かれず、死亡に至るまでの経緯をアベック原文ママ)の男女が語るのみである。ウエラになってからはほとんど記憶もないので、現代知識でどうこうすることはなく、所謂チート力もない。ただ体のスペックは高いようで梁の上に跳び上がる、ロープ一本での中に入り込むといった芸当をこなしている。の腕も立つようで戦闘での活躍シーンも多め。同じ顔の王子入れ替わり陰謀を進めていくのだか、王子の世話役の女の子偽物だと気づかれぬまま好意を向けられているなど今に通じる要素はあるものの、異性に不慣れな陰キャではなく、わりと積極的に動くなど当時の男性の理想像を反映させているので、このあたりは好き嫌いはわかれそうである。

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