きっかけは、そうだな、やはりキングボンビーか。今までは他人事だったボンビラスが、自分に降りかかってきた。それでも今までに何度か狙われたこともあるし、その度ごとになんとかしてきた。
だから今回もやり過ごそうとしたんだが、駄目だった。
貧乏神もそうだが、自分よりも遥かに恐ろしい奴がライバル社長の中にいたんだよ。そいつはずーっとへっぽこだったんだが、何があったのか急に力を伸ばしてきた。
そしてどん底からわずか25年ほどで、私の会社に匹敵する規模にまで成長した。
今思えば、本当に恐ろしいやつだった。キングボンビーが憑いても、銀次に金をすられても、災害に見舞われても、奴の会社は致命傷を負わなかった。まさに、天が味方しているとしか思えないほどの幸運っぷりだったよ。
それに対して、私は運から完全に見放された。さいころの目にも目的地にもね。
挙句、さっき話したライバルによって、身ぐるみ剥がされてしまった。かつてのアメリカ一の大企業が、200億ドルもの借金を背負って破綻する。 こんなバカげたことがあっていいのかとその時は思ったよ。
茫然自失になりながら、それでも必死に目的地を目指して、ようやく借金から解放された。
そうして辿り着いたカルガリーで買うことが出来たのが、このコーヒーショップさ。
視聴者に愛される閻魔珈琲は、えんまが再建したコーヒーチェーンである。
大恐慌によって、再び全てを失ってしまったえんま。彼はここからやり直すことを決意する。
まず、アメリカ全土を駆け廻り、大恐慌によって背負った負債をすべて返済。これには2年の歳月を必要とした。そして、資金を貯めたえんまは一つの都市を独占し、復興の足がかりとした。ここで彼は地元のコーヒーチェーンを買取り、再びコーヒー店を経営する。
彼が拠点として選んだのは、アルバカーキ。ここはアメリカ内陸の都市の中でもいちはやく工業化を推進しており、中でもIT関連企業が多く参入していた。これに目を付けたえんまは、当時まだ一般的でなかったインターネットメディアによる広告で自社を宣伝した。この記事をご覧の方々の中にも「桃鉄ハンデ戦USA」シリーズにえんまコーヒーが折りに触れて広告を出しているのを見た事があるという人もいるだろう。
アルバカーキという田舎町のコーヒーショップを、わざわざインターネットを用いてアメリカ全土へ宣伝する―
この、見当外れとも思える広告戦略を打ち出したえんまコーヒーに対して、他者の反応は冷ややかなものだった。だが、ネット上ではえんまの苦労話を知ったとある動画投稿サイトの視聴者たちに愛され、えんまコーヒーは彼らファンによって積極的に紹介された。
その効果もあってか翌年、えんまコーヒーはグアダラハラに2店目をオープンすることとなった。
そして、彼に大きな転機が訪れる。
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最終更新:2024/03/29(金) 06:00
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