ヨシオ(競走馬) 単語


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ヨシオ

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ヨシオとは、JRAが認めたアイドルホースである。森秀行厩舎所属。

主な勝ち鞍:2020年ジャニュアリーステークス(OP)

概要

2013年5月9日生まれ。その後9歳5月まで現役を続けた競走馬。

父ヨハネスブルグは米国産馬で、アイルランド・英国では2歳時7戦7勝を誇った。母フローラルホームはマイル王タイキシャトルの孫である。

通算成績78戦6勝
地方競馬ならそんなもんだろと思いきや、彼は中央所属である

参考までに、12歳まで現役を続けた「爺さん」トウカイトリックが63戦9勝。重賞をひたすら走りまくった「鉄の女」イクノディクタスが51戦9勝。毎度おなじみ「黄金旅程」ステイゴールドが50戦7勝。「走りすぎ」と言われた過去の名馬すら出走数でかなわない。

2015年のデビューから長~~~~~~~~~~~~~~い下積み生活を続けながら重賞未勝利に終わったが、すさまじい頻度でレースに出まくり、ちょこちょこ掲示板に載っては少しずつ賞金を積み上げていき、塵も積もれば1億5300万円(中央・地方合計)。8歳までちょびちょびと稼ぎ続けた。

何年もの間、ダートの条件戦やオープン戦を見ると毎度どこかしらに名前があり、その名前が「ヨシオ」と一般男性の名前3文字。

そして、2020年には重賞未勝利のままG1の舞台に2度も立ち、その後2021年春まで「芝G1→ダートG1→障害未勝利→OPダート短距離」という意味不明な三刀流ローテを組まされた。

その頑張りを応援され、その糞ローテを(組んだ陣営が)批判され、その名前をネタにされながら人気を得ていき、ついに2021年、アイドルホースにまで上り詰めた男である。

しかし、「ヨシオがなぜ人気なのか?」と聞かれたらいまいち決定打がない。

ヨシオは最強でも最弱でもないし、令和のオグリキャップでもディープインパクトでもない。あるいは令和のハルウララでもステイゴールドでもない。はたまた令和のアグネスデジタルでもエタリオウでもない。

ヨシオはヨシオである。平成のヨシオであり、令和のヨシオであり、最強にして最弱のヨシオである。

記録

出走数は確かに多いが、サラ系JRA出走数最多はハートランドヒリュの127戦4勝なので、最多記録ではない。他にも、例えば15歳まで現役を続け99戦11勝を挙げた「中年の星」ミスタートウジンなどがおり、出走数や現役を続行した年数で言えば上には上がいる。

かといってハルウララのように連敗記録があるわけでもない。そもそも未勝利では3歳秋に中央を追い出されるし、そうでなくとも113連敗するまで居座らせてくれるほど中央は甘くない。曲がりなりにも6勝しているオープン馬である。

では現役最年長なのかといえば、同期のダービー馬マカヒキより先に引退してしまい、現役平地最年長とはいかなかった。しかも、ヨシオはいちおう障害も走ったことがあるので、御年11歳で現役の障害王者・オジュウチョウサンが比較対象に入ってしまう。インパクトという点でもちょっと適わない。

そんなわけで、強いとはお世辞とも言いがたいが、ネタにされるほど弱いわけでもない。

彼の記録らしい記録、話題らしい話題といえば、前述の奇妙奇天烈なローテぐらいであった。

また、彼はJRA日高育成牧場産であるが、ここで2021年9月までに生産された通算100頭のうち獲得賞金最多である。上述のハートランドヒリュ(1億3300万円)より少し多く、ツインターボ(中央1億8400万円)には重賞1勝分届かなかった。

彼の魅力とは結局のところ、生まれたときから引退まで周りに振り回され、それでもなお走り続ける「ヨシオ」のけなげな姿という構図なのかもしれない。

乗り替わり

非常に乗り替わりが多く、通算34人が鞍上を務めた。
以下はヨシオに騎乗経験のある騎手である。初めて騎乗した順。

  • 藤田伸二
  • 福永祐一
  • 和田竜二
  • 岩田康誠
  • 内田博幸
  • 井上敏樹
  • 小牧太
  • 松岡正海
  • 佐藤友則
  • 川田将雅
  • 武豊
  • 石橋脩
  • 戸崎圭太
  • ミカエル・バルザローナ
  • 吉原寛人
  • 川又賢治
  • 蛯名正義
  • 木幡巧也
  • 勝浦正樹
  • クリストフ・ルメール
  • 浜中俊
  • 松若風馬
  • 萩野極
  • 山口勲
  • フィリップ・ミナリク
  • 四位洋文
  • 三浦皇成
  • 松山弘平
  • ライル・ヒューイットソン
  • ミルコ・デムーロ
  • 山本聡哉
  • 亀田温心
  • 熊沢重文
  • 永野猛蔵

有力馬でなくとも有力騎手が騎乗することは珍しいことではないが、ヨシオの場合その数が群を抜いている。

ヨシオは栗東所属の関西馬で、福永祐一、岩田康誠、川田将雅、武豊といった関西の有力ジョッキーが騎乗している。外国籍のJRA所属騎手であるクリストフ・ルメールとミルコ・デムーロも乗っているし、短期免許外国人であるミカエル・バルザローナ、フィリップ・ミナリク、ライル・ヒューイットソンも騎乗経験がある。そればかりか、関東を主戦場とする内田博幸や蛯名正義、松岡正海、勝浦正樹、若手騎手である井上敏樹、川又賢治、木幡巧也、亀田温心、地方のトップジョッキーである吉原寛人、山口勲、山本聡哉…と錚々たる面々が名を連ね、もはや走る騎手図鑑である。これでも最多ではないらしい。

なお騎乗数最多は勝浦正樹で7回。次点が川田将雅と岩田康誠の5回である。

障害戦は3戦とも熊沢重文が鞍上。なお、熊沢は栗東所属である。

経歴

出生

JRA日高育成牧場で生を受ける。母フローラルホームが初産であり、乳房が発達しておらず分泌が不足していた。そのため、乳母に育てられることになった。

乳母は通常性格が温厚な品種の馬が充てられるが、ヨシオにはホルモン処理をされたサラブレッド乳母がつけられることになった。
「通常は」別品種が充てられるということは、サラブレッド乳母は性格が温厚ではなく、ましてその年に子を産んでいない馬が継子を育てることはかなりのリスクがあるということである。しかし、日高育成牧場はJRAの施設であり、育成技術の研究開発も役割のひとつであることから実施に踏み切ったという。

乳母は導入初日こそヨシオを拒絶していたものの、幸いにも2日目で乳母がヨシオに母性本能をみせ、以降はすくすくと成長した。

このように出生の様子が語られることは少ないのだが、ヨシオの場合、育成牧場のブログで偶然「ホルモン処理サラブレッドによる乳母づけの事例」として詳細が紹介されていた(関連リンク参照)。
この時点でヨシオには競走名がつけられておらず、母の名も乳母の名も明かされていなかったのだが、2021年9月にそれがヨシオだったと明かされたものである。

こうして成長した「フローラルホームの2013」は、2015年のJRAブリーズアップセールにて仲山誉志夫(よしお)に購入され、オーナー自らの名から「ヨシオ」と命名された。この平凡すぎて逆に個性的な名前が彼の運命を左右することになる。

なお、仲山オーナーの他の所有馬も「ノリミ」「トシエ」「シイチ」「シメイ」とすべて3文字なので、もっと馬主を続けていたら「珍名馬」の記事に名前を連ねていたかもしれない。

新馬~未勝利

2015年7月の新馬戦を8着で終えたヨシオは、その後も未勝利戦を勝ちきれず、2016年1月に10回目でやっと突破…するのだが、つまり半年で11回も出走したということである。この時点で何かおかしい。それに、勝てないまでも掲示板には6回載っているので、獲得賞金1095万円の1勝馬となった。

条件馬時代

その後2年間、条件馬時代が続く。とはいえ、やはりちょくちょく掲示板に載ってはちょびっとずつ賞金を稼いでいるので、馬主孝行というかどうかはともかく、自分の食い扶持は稼げる程度であったようである。また、ダートでよく見る目立つ名前ということもあって、この頃からヨシオの頑張りを応援するファンが増え始めた。

2016年6月4日には、3番手から馬群を縫うように抜け出し、1馬身差の勝利。

同10月12日には、馬群がばらけた隙を突いて外に出し、一気の末脚で勝利。

2017年響灘特別では一転して逃げ、2馬身差で勝利。

1600万下では、2017年秋シーズンは掲示板も厳しい状況が続くが、翌4月の下総ステークスで逃げ切り勝ち。ついにオープン馬となった。

オープン以降

地方重賞にも挑戦し、2018年盛岡マーキュリーカップ2着、佐賀サマーチャンピオン3着と、G3/Jpn3 でもまずまずの成績を見せる。一方、中央ではG3 シリウスステークスでは15着と惨敗したのをはじめとして、勝利からは遠ざかってしまった。

オーナーの死~ジャニュアリーステークス

そんな中、馬主の仲山が2018年末に事故で世を去ってしまう(詳しい時期は不明だが、少なくとも彼名義の出走は2019年1月6日のポルックスステークスが最後)。その際、ヨシオにしては長期の夏いっぱいの休養に入り、太秦ステークスでは一度風早信昭名義で出走した後、所有馬と勝負服は彼の父の親友であるという岩見裕輔に引き継がれることになった。

弔い合戦というには少し遅いものの、明け2020年のジャニュアリーステークスで久々の勝利。同時に中央のオープン初勝利となった。

まさかのジャパンカップ

しかし、2020年はそれ以降、掲示板にすら載らない日々が続く。

2年前に好走していたマーキュリーカップも6着とふがいない結果に終わり夏が終わる頃、とんでもないニュースが競馬ファンを沸かせることになった。

G1ジャパンカップ出走。ミニ四駆ではなく競馬のジャパンカップである。この年で40回を迎えたこのレース、日本の世界の名だたる名馬がターフを駆け抜けたあの大レースである。重賞未勝利の馬が本来立てる舞台ではない。

それよりなにより、馬場も距離も違う。ヨシオの主戦場はダートの短距離~マイルであり、芝は新馬戦で走っただけ。2400mなんて走ったこともない。

おまけに、この年のジャパンカップは前走の天皇賞(秋)で史上初となるG18勝目の大偉業を成し遂げ、これが引退レースとなっていたアーモンドアイ・史上3頭目の無敗の三冠馬コントレイル・史上初の無敗の牝馬三冠馬デアリングタクトと三冠馬が3頭名を連ねるというもう二度と訪れないだろう豪華メンバー。みんなこの3頭に夢中で、ヨシオは名前と場違い振りからネタにされているだけであった。もっとも、そのおかげか15頭中13番人気とビリだけは免れた…が、netkeiba.comの予想オッズでは圧倒的1番人気にされるという、往時のウインガーを連想させるような珍事も起きた。

レースが始まると、スタートこそ先頭に立つもののキセキの大逃げにかなわず、必死で追走するものの少しずつ後退。最終直線ではブービーから大きく離されての大差シンガリ負けであった。自分より遙か先で、アーモンドアイが有終の美を飾り、三冠馬3頭が揃ってゴールしていた。

ヨシオの所属する森秀行厩舎は、未出走馬を弥生賞に出走させるなど(→ヘヴィータンク)ときたまこういった突飛なローテーションを組むことがあり、(特別)出走奨励金目当てと批判されることがある。

とはいえ、この年のジャパンカップはフルゲート割れであったためヨシオはその枠に収まっただけであり、他馬の出走枠を潰したわけではない。また、前述のヘヴィータンク事件で追加された重賞タイムオーバーの対象は「未出走または未勝利馬」であり、この時点で6勝しているヨシオには該当しない。つまり、ルールの範囲内で最良の結果を得ようとした結果であり、ちゃっかりしているとはいえるだろうが、それ以上のものではない。

また、仲山オーナーの友人であった西山茂行オーナー(ニシノ・セイウンの冠名で有名)によれば、所有馬のジャパンカップ出走は故人の希望であったといい、そのチャンスをなんとか叶えた形である。(参考1参考2)。そのような事情を考えれば、一概に非難できるものではない。遺言を果たせてよかったね、結果は伴わなかったけどしょうがないね、めでたしめでたし。

次の話さえなければそれで終わっていたのだが…。

まさかまさかのチャンピオンズカップ出走

次走はチャンピオンズカップに決定。G1 だがダート1800mで馬場と距離はいつも通り。何よりかつての名称は「ジャパンカップダート」。変則的とはいえ遺言を果たすチャンスがもう一度あるなら出走しない手はない…

…しかし、開催がジャパンカップの翌週なのである。
オグリキャップも秋4戦目のマイルチャンピオンシップからジャパンカップを連闘した。このときですら猛烈に批判されたのだ。当時は鬼ローテの時代だが、今は前哨戦すら戦わずぶっつけ本番でも結果を残す馬が多く出ている時代である。にも関わらず、府中芝2400m→中京ダート1800mの2週連闘。ジャパンカップ出走は上述の理由により擁護の余地があったが今回はいくらなんでも、という声が大勢であった。

そんな中スタートしたチャンピオンズカップは、スタート4番手ぐらいを好走しているように見えたがそこからずるずる後退。最後はメイショウワザシとのドベ争いにクビ差差し切られた。結局2週連続最下位であったが、大差負けでなかったあたりにダート馬の意地は見えたといえるか。

年末には地方の総決算・東京大賞典の選定馬となるがここは回避。またオープンを走る日々が続く…と思いきや。

まさかまさかまさかの障害転向→平地に戻る

年明けて2021年の次走は小倉の障害未勝利。8歳にして初挑戦だがそもそも完走できるのか、というレベルで心配されていたところ、器用なジャンプで完走どころか5着と掲示板確保。ちょびっと賞金を積み上げた。

障害戦は3戦するものの、その後は11着、7着といまひとつな成績からか、平地競走に戻される。

平地競走に戻って1戦目、主戦場の短距離にて天王山ステークスでは4着。またもちょびっと賞金を積み上げた。一方の栗東ステークスでは10着と安定しない。

次走は宝塚記念を予定していたが疲れが取れないとして回避、放牧に入る。

長い休養、弟の移籍、馬主交代、そしてカペラステークス

その「休養」がヨシオにしてはえらく長く、夏が過ぎ、前年狂想曲を巻き起こしたジャパンカップもチャンピオンズカップも、それぞれコントレイルの有終の美、テーオーケインズの圧勝という形で終わってしまった。前回の長期休養はオーナー側の都合である面も大きかったが、今回はそのような情報もなく、これはいよいよ…という声も出始めてきた。

彼の情報が全然流れてこない中、7月には半弟シメイの中央登録抹消が発表された。オーナーはそのままで門別に移籍し、そこそこよい成績を収めている。

ヨシオの去就が心配される中、情報が「放牧」から「帰厩」に変わり、次走は12月、G3 カペラステークスと発表された。
当競走で引退するモズスーパーフレアをはじめ強敵揃いであるが、ヨシオにとっても得意のダート短距離。初重賞制覇を本気で狙えるレースである。何より、あの森秀行厩舎が、長期休養を挟みながらもまた使おうとしているのだから、彼はまだまだ戦えると見られているのである。

一方、12月初頭の報では、いつの間にかオーナーが交代している(シメイは岩見のまま)。新オーナーの加藤志明の所有馬はヨシオただ一頭。何をしている人なのかも特に情報がなく、当初は勝負服すら未登録であったが、結局仲山オーナーから続く「白・水色鋸歯形・袖黄」の勝負服を引き継いでカペラステークスに現れた。

長らく休んでいる間にぬいぐるみまで発売され、爆発的にファンも増えたが、馬券は厳しく16頭立てで最低の16番人気。スタートはそこそこうまく4番手ぐらいにつけられたが、モズスーパーフレアがいるのに先行策を採ってかなうわけがなく、一瞬で最後方に後退。それでも直線では意地を見せ、数頭抜き去っての13着に落ち着いた。

2桁順位ではあるが、なにせヨシオであるので衰えたのか、いつものことなのか不明である。最後に末脚っぽいものは見せたし、何か運命の歯車がかみ合えば来年も掲示板、あわよくばもう1勝ぐらいできそうなのか。

去年が去年なので次は有馬記念にでも出走するのでは…などと冗談なのか本気なのか分からん記事まで書かれたが、さすがに登録すらされなかった。ちなみにファン投票の結果は44位。

ヨシオ9歳、海外へ飛び立つ?

2022年、9歳になってもまだまだ走る。次走は一昨年制したジャニュアリーステークスと発表されていたが、26頭も出走希望したこともあり(フルゲートは16頭)、賞金不足で除外され出走ができなかった。

代わりに、G3 リヤドダートスプリントへの登録が発表。
えーーーーーーーーー! サウジアラビアに行くの!?

…と新年早々ファンを大混乱に陥れたが、さすがに有力馬が揃うサウジの重賞とあっては選出されず。

次走は当初バレンタインステークスと発表されていたが、1週後の大和ステークス(OP) に変更された。オヌシナニモノとの珍名馬(?)対決は向こうが抽選漏れとなり、実現せず。
レースは終始ジャスティンが先頭で引っ張ってそのままゴール。ヨシオは後方に控えたまま特にいいところなく11着に終わった。

次走は名鉄杯→コーラルステークスとコロコロ変わったが、4月17日の京葉ステークス(OP) となった。
スタートでは最後方に控えていたが、第3コーナーで鞍上永野猛蔵がビシバシ鞭を入れる。ヨシオもそれに応えてまくりにかかるも、進路上にサイクロトロンがいた。仕切り直して直線から追い込みをかけ、後続勢をゴボウ抜きにしていく。しかし、308mしかない中山の直線では間に合わず、9着に終わった。
そう、中山の直線で16頭立ての9着 である。上がり3ハロン36秒1は全頭中3位。9歳馬になってのこの末脚にヨシオファンは歓喜した。惜しむらくは、彼を上回る末脚で9番手から2着に突っ込んだアポロビビに、実況を奪われてしまったことか。

ヨシオ第二の馬生

前走で復活の末脚を見せかけ、もしかすると、と思わせた矢先のこと。
2022年5月11日付で登録抹消、引退が発表された。

その後は馬事公苑で乗馬となることが発表されていた。ここの所属となるということは、乗馬に加えて誘導馬になる可能性もあるということでもあり、ファンからもまた競馬場で会えることを望まれていた。

大方の期待通り、福島競馬場で誘導馬となることが2022年7月20日に発表された。ヨシオは中央9場に出走経験があり、欠けていた福島競馬場の本馬場には誘導馬として降り立つことになる。

なお、馬事公苑に移るにあたり、去勢が行われている(基本的に、種牡馬にならない馬に関しては、引退後去勢が行われるのが通例)。

これからのヨシオ

事情があるとはいえオーナーが何度も交代し、一時は海外に行かされそうになったヨシオ。うまくいけばかつてのドージマムテキのように、森厩舎おなじみ海外遠征時の帯同馬として頭角を現すかもしれなかったし、どこかしらで海外重賞を取ったかもしれない。しかしそれは叶わず、2021年夏以降はすべて着外で現役を終えた。

しかし、最後まで大きな怪我や病気なく走り続けたのは、何物にも代えがたい勲章であった。

人間の都合と競馬の神様の気まぐれにぶん回された、悲劇ないし喜劇のアイドルホース・ヨシオ。その甲斐あって彼を応援するファンは、一介のオープン馬とは思えないほどに増えた。彼の今後の馬生が、祝福に彩られたものであることを願わずにはおれない。

アイドルホースオーディション

京都競馬場主催のアイドルホースオーディションでは、名だたる過去の名馬や現役の人気馬を押しのけ、堂々の1位に輝いた。

なお、上位5頭はぬいぐるみ化されるという特典があるため、現行でぬいぐるみが販売されている、またはぬいぐるみ化が困難な競走馬は対象外であることに注意して以下を読まれたい。

STEP1

なんとSTEP1を突破し、STEP2に進出することになった。

「馬のぬいぐるみ」元祖のオグリキャップをはじめとした、再販を望まれる歴史的名馬から、商品化の声が強い通好みの現役アイドルホースまでずらりと並んだ中での入選である。

後日の発表では、この時点ではメロディーレーン・サイレンススズカ・キセキ・オグリキャップに次いで5位。6位のライスシャワーより上という大健闘であった。

STEP2

19434票と、2位のメロディーレーンを5000票引き離しての圧勝。見事アイドルホースに輝いた

現役競走馬は、カレンブーケドール・キセキ・メロディーレーンと濃いファンがつく錚々たる面々が全頭勝ち上がり、現役馬以外は京都の守護神ライスシャワー。彼らに並んで堂々のぬいぐるみ化である。

あまりの番狂わせっぷりに、ウインガー コイル(ポケモン)や五条勝の時のような悪ふざけ説も挙がったが、それまでもネット上でじわじわ話題になっていたのが2020年以降の超変則ローテで爆発。YouTubeに彼のアフレコ動画が上がったりと着実に人気を積み上げての結果である。

とはいえ、1位になるとは誰も思わず、ヨシオのファンすら仰天の結果となった。ジャパンカップを楽しみにしていた天国の初代オーナーも、「ぬいぐるみできました」などと報告されては開いた口が塞がらないだろう。

なお、京都競馬場主催ではあるが、ヨシオは京都での獲得賞金が390万円(未勝利戦3着3回)しかなく、5頭の中では最も京都に縁のない馬かもしれない。ブービーのメロディーレーンは菊花賞5着(1200万円)があるので、自分より(当時)格上のヨシオより京都力が高いのである(入着数は3回で同じ)。

参考までに、5頭の京都競馬場での獲得賞金を記載すると、以下の通りである。

順位 馬名 総賞金額(万円) レース名 賞金額(万円)
1 ヨシオ 390.0 2歳未勝利 130.0
2歳未勝利 130.0
3歳未勝利 130.0
2 メロディーレーン 1460.0 2歳未勝利 130.0
3歳未勝利 130.0
菊花賞 1200.0
3 キセキ 17305.3 菊花賞 14570.9
京都大賞典 2734.4
4 ライスシャワー 39903.2 京都新聞杯 2200.0
菊花賞 11100.0
天皇賞(春) 13000.0
天皇賞(春) 13603.2
5 カレンブーケドール 6629.2 秋華賞 4109.2
京都記念 2520.0

ぬいぐるみ発売

この結果を受けて、ぬいぐるみが発売された。額の星と、赤黒の頭絡が再現されている。

血統表

*ヨハネスブルグ
1999 鹿毛
*ヘネシー
1993 栗毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Island Kitty Hawaii
T.C. Kitten
Myth
1993 鹿毛
*オジジアン Damascus
Gonfalon
Yarn Mr. Prospector
Narrate
フローラルホーム
2009 黒鹿毛
FNo.4-d
*ケイムホーム
1999 黒鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Nice Assay Clever Trick
*インフルヴュー
タイキフローラ
2000 青鹿毛
*タイキシャトル Devil's Bag
*ウェルシュマフィン
マリエドゥジュワン General Assembly
*ロイコン

クロスMr. Prospector 4×4(12.50%)、Secretariat5×5×5(9.38%)

  • 父ヨハネスブルグは2歳時7戦7勝を含む10戦7勝。産駒も早熟傾向が強い。
  • 母フローラルホームは不出走。
  • 母父ケイムホームはサンタアニアダービーなど12戦9勝。

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関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • トーラスジェミニ あのジャパンカップでドベ人気だった重賞未勝利馬だが次年度七夕賞で雪辱。
  • 森秀行
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