アリエテとは、イタリア陸軍で運用中の第3世代MBT(主力戦車)である。「C1 アリエテ」と呼ばれることもある。
語源はイタリア語の「牡羊座」で、この言葉は航空機や艦艇、師団、企業などに使われているが、この項では戦車について解説する。
概要
第二次世界大戦もドタバタ騒ぎのうちにいつの間にやら戦勝国になったイタリアの戦車開発はわりと歴史が古い。
問題は工業力が低いため、大量生産されるような戦車や装甲車輌があまり増えなかったということなのだが。
戦勝国になったイタリアでは戦後アメリカ軍の戦車が配備されていたが、でかくて重くて幅の広い米軍の戦車ではイタリア北部の山岳地帯が苦手だったようで、すぐに新しい戦車の要求が出される。
初めはフランスから輸入するつもりだったのがすったもんだの末にドイツのレオパルト1を輸入・ライセンス生産する事となった。
しかし導入時期は1974年と、もうすでにドイツ連邦軍ではレオパルト2の試作車が完成し第三世代戦車の時代が目前に迫った時期であり、またしてもイタリアは戦車開発の波に後れを取ってしまう。
そんなイタリアが一念発起して作り上げた戦車が「アリエテ」戦車。1982年に開発がスタート。1995年より配備開始。冷戦崩壊後の予算縮小やイタリア国内の技術的問題もあり10年近く開発に時間を要した。
開発にはイタリアの威信(と技術力が必要な為)イタリア中の軍需企業が集結したようなオールスターっぷりである。
レオパルト1の生産や輸出に失敗したOF-40を元に、主砲・砲塔開発は古参のOTOメララ。車体はフィアット社が担当して作り上げられた。
44口径120mm滑腔砲や車体前面・砲塔正面には複合装甲などの第3世代MBTに必要十分な装備を供えているが、ネタとして言われ続けて来た後進の方が早いトランスミッションなどは積んでいない。
ドイツと関係が深いためか形はレオパルト2に似ているがそこはおしゃれさんの国である、砲塔前面がM1エイブラムスのように傾斜したかっこいいデザインとなっている。
なにしろWikipediaには戦車でありながら「イタリアらしいスポーティーなシルエットが特徴的な戦車である。」なんて戦車として褒めているのか貶されているのか判らないような書き方をされる始末。だ、大丈夫か?
その他エンジン出力が1300hpとちょっと少なめだったり、重量的に砲塔側面が1枚の装甲板じゃね?とか言われているが、それでもイタリアの地形にマッチした戦車である。
機甲師団ではダルド歩兵戦闘車とコンビを組む。
200両で生産が終了したが、イラク派遣に伴ってロケット弾対策の増加装甲が付けられたりしている。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 3
- 0pt