シーザノケとは、漫画Artist 青徒愬良(あおとさくよし)による作品である。
概要
本作は2017年に本格連載を開始し、日本では恐らく初と思われる完全なクラウドファンディングでの制作、連載を行っている漫画である。骨格となるエピソードそのものは完成しており、全170ページほどになる予定。但し、これはepisode.2の完結までであり、物語そのものは当然ながらepisode.2で完結せず、幾つかの謎はまだ未回収伏線として残されている。
原作者の青徒は2010年に月刊少年ライバルに持ち込みを行い、担当付きとなり、この後4年間読み切り作品の制作を行い、うち2作品が新人賞を受賞。そのうち1作がデビュー作「嘘つきアザム」、もう1作が本作のプロローグに当たる「シーザノケ episode.1」であった。
しかし、プライベートの事情により2014年に一旦漫画家活動を停止、イラスト業は継続し個展開催などの活動を行い新たな漫画描きとしての土台を探るも、翌年体調を崩し完全に活動を中断。
2016年に入り、本作のepisode.2のネームを再開し、2017年にCAMPFIREでのクラウドファンディングを募集、All or Nothing方式(目標金額に達しなければ全額返金かつ制作中断)という厳しい条件ながらこれを成功させ、episode.2「起」として結実した。
2019年には続編の制作にあたり再び同様の形式でクラウドファンディングを開始、目標金額を上回って資金調達に成功し、翌年にepisode.3「承」として単行本化され、支援者に配布された。
2021年3月31日より、4話目にあたる「転」のクラウドファンディングが開始。期間は5月19日まで。
同4月18日に目標金額100％を達成した。話題性が口コミで広まったせいか、今回は約2週間弱でのSuccessというスピードであった。
5月現在、2ndゴールに向けてのラストスパートが行われている。
なお、作品の全体像や一部の完成原稿自体はネット上にも公開されているが、主にクラウドファンディングのリターン品として配布される紙の単行本にも特典として電子版未収録の短編などが掲載されている。逆に電子版にも主にネームなどの特典が収録されている。
革新のコマ無し漫画
本作をクラウドファンディング制作としている最大の理由がこの表現技法にある。
受賞作の1話目は、オーソドックスなコマを用いたファンタジー漫画だが、クラウドファンディングの行われた2話目以降は従来と同じ目線の動きで読むことができながら、漫画における表現単位の「コマ」を廃してスクリーントーンや遠近法を巧みに利用することで1枚の絵画のように原稿を使う「アートとエンターテインメントの融合」を目指した新たな表現技法に挑む、という試みからである。
青徒が漫画家ではなく漫画アーティストを名乗っているのもこのため。
この手法は挑戦的なものであること以外にも、製造に大幅な時間がかかる(episode.2「起」までは特にフルアナログで作られていた)ほか、時間的制約から一般的な商業誌や同人誌での展開も困難であるため、資金を広く募った経緯がある。実際、本作のアイデアそのものはライバル投稿時代から存在し、デビュー作のアザムの時点でその片鱗が見て取れるものの、当時の担当から没にされている。
ちなみに、ネームは通常のコマを用いて作られており、ペン入れ段階で改めて1枚の絵として再構成する、という手法で描いている。
なお、過去にコマ無しの漫画が全く無かったわけではない。例えば、大友克洋の「子供たちは何処へ……」や手塚治虫や秋本治の一部作品などにもみられるが、前者は2020年現在、1973年の発表以後一度も単行本化されていない、後者は実験ページに留まるなどのこともあって漫画界に与えた影響は極僅かでしかない。
青徒が目指すのは本作執筆に大きな影響を与えたとされる「大友克洋」の起こした漫画表現の革命をもう一度、という思いもあるとされる。
あらすじ
髪の腕を持つ者、ヘアリムドの少女ノケは、幼いころから化け物と偏見を持たれて虐げられていた。
ある日、故郷のタチハナタウンで美容師のシーザと出会ったノケは、「ヘアリムドの髪の素晴らしさ」を世界中に伝えるべく二人で旅に出る。
しかし、人々のヘアリムドに対する無理解は大きくなかなか上手くいかない。
そんな中、初めて自分以外のヘアリムドに出会うのだが…
登場人物
- シーザ
本作の主人公。15歳。ハサミ一本でヘアリムドの髪の毛を自在に操る天才美容師。
幼いころにヘアリムドの少女にマフラーを取ってもらってから美容師を目指す。
ノケとの再会後は彼女の専属ヘアモデルとして共に旅をする。
無類の女好きでノケにセクハラまがいを何度も働くがその度に返り討ちに遭う。
- ノケ
ヒロイン。14歳の少女。髪の毛を自在に操るヘアリムドという種族。
両親は普通の人間で、彼女は突然変異的に生まれたものであるらしい。
1時間に約5㎝も伸びるというその髪は幼少期から偏見を持たれ、その事で一般人のことは嫌っていた。
しかし、シーザとの出会いでヘアリムドの力を世に認めてもらうことを目標に旅に出る。
関連動画
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関連静画
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関連商品
←上記1、2巻のセット
関連コミュニティ・チャンネル
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関連リンク
- 青徒愬良@シーザノケ (Twitterアカウント)
- 青徒愬良 オンラインショップ (紙版購入可能)
- AOTO青徒愬良 YouTubeチャンネル
- 第1回クラウドファンディングページ
- 第2回クラウドファンディングページ
- 第3回クラウドファンディングページ (現在開催中)
- フルパーセントによる作品ページ
- ebook japanによる電子版販売ページ (現時点の電子版で最も高画質)
- シーザノケ全ネーム(Pixiv)
- 嘘つきアザム (国立国会図書館収蔵品のページ)
関連項目
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- 0pt
