ゾーフィとは、特撮テレビ番組『ウルトラマン』に登場する?宇宙人である。
見た目はゾフィーに酷似している。
概要
ウルトラマン放送当時に発売された書籍が初出であり、以下はその解説である。
- 名前:宇宙人ゾーフィ
- 身長:二メートル
- 体重:五十キロ
- 宇宙からやってきた。
- 宇宙恐龍ゼットンをあやつって大あばれさせる。
- ウルトラマンそっくりに変身する。
- 力はないが頭はよい。
- スーパーガンによわい。
本当の概要
ゾーフィとは、ウルトラマン放送当時に発売された書籍に掲載されていた、「ゾフィー」の誤った説明文である。
放送前、各種メディアにはゼットンの写真と、ゾフィという宇宙人の存在、そして「ゼットンは宇宙人に操られている」という情報のみが与えられており、詳細は全く不明だった。そのためいち早く情報を載せたいがために「ゼットンを操っている宇宙人=ゾフィー」という情報を雑誌や書籍(初出は「週刊朝日」昭和42年(1967年)4月7日号とされる)に掲載してしまったのだそうだ。
劇中描写ではゼットンを操るのはゼットン星人(ただしこの名前は後付けで、1968年の地方局向けパンフレットが初出とされる)であり、ゾーフィ改めゾフィーは宇宙警備隊の隊長として命を失ったウルトラマンを助けに来る役目であった。つまりゾフィーの姿+ゼットン星人の情報、そしていち早く情報を載せたい気持ちがウルトラフュージョンした結果宇宙人ゾーフィが誕生してしまった、ということである。
なお、「ゼットンを操る宇宙人ゾーフィ」という記載は、講談社「ぼくら」1967年8月号および11月号付録、小学館「小学二年生」1967年6月号付録および小学館の記事をまとめた大伴昌司著「怪獣ウルトラ図鑑」(秋田書店、1968年5月)など、3つほどあることが確認されている。
一方、ノーベル出版から1967年に出た2冊の書籍は円谷プロ監修であったため正しい記載であった。その後、多くの雑誌や書籍におけるゾフィーの説明は正確なものに戻ったものの、1971年の「原色怪獣怪人大百科」(ケイブンシャ、1971年12月)に写真が提供されるまではスターマークやウルトラブレスターの位置がおかしなイラストが掲載され続けた。
上記の調査は「ウルトラマン画報」(講談社、2015年)より引用。
シン・ウルトラマン
2022年公開の映画『シン・ウルトラマン』において、なんとゾーフィとして劇中に登場する。声は山寺宏一が担当。
本作のウルトラマンと姿は目の位置などを除いてほぼ同一だが、身体の色は「銀色に赤」を基調としたウルトラマンと対照的な「金色に黒」なのが特徴。
ベーターボックスを与えて地球人類を兵器転用しようともくろむ外星人メフィラスとウルトラマンの戦いの最中に現れる。ウルトラマンの背後に立つゾーフィに気づいたメフィラスは一目見た瞬間に戦うことをやめ、逃げるように地球から立ち去ってしまった。
その後地球人『神永新二』と融合したウルトラマン=リピアと会話を交わすゾーフィは、なぜ地球人と融合をしたのかを尋ねる。リピアは神永が自分よりも弱い子供を救うのに自分の死を厭わずに行動した様子を見て、そのような行動を取った理由を知りたいと思ったからと答えるが、その行い自体のせいで地球人類が外星人から兵器転用できる価値があるとマルチバースを通じて全宇宙に知れ渡たらせてしまったのだとを告げ、光の星の掟に従い地球を破壊させるために天体制圧用最終兵器『ゼットン』を起動する。ゼットンの発射する1兆度の火球が放たれれば地球はおろか太陽系そのものが消滅してしまう。地球の破壊を防ぐためウルトラマンはゼットンに立ち向かうが、完膚なきまでに打ちのめされ敗北。地球へ墜落するウルトラマンにゾーフィはあきらめるように声をかけるが、ウルトラマンは地球人類の可能性に望みを託していた。
その後地球人類との協力の末にゼットンを破壊したウルトラマンだったが、引き換えに異次元空間に引き込まれてしまう。救命信号を受けて駆け付けたゾーフィは再びウルトラマンと対話する。ベーターシステムの理論を解析してゼットンを倒す方法を見つけた人類と、神永と同様に弱い地球人類を救うために命を懸けてゼットンに立ち向かった姿を見届けたゾーフィは、人類とウルトラマンに感銘を受け地球を静観することを約束する。それでもウルトラマンは掟を破った罪を償う必要があるため光の星に連れ帰ろうとするが、ウルトラマンはそれを拒否し地球に残って彼らを見守りたいという。だがゾーフィは認めず、妥協案として神永にウルトラマンの命を与えて2人を分離し、人類自らの力で地球を護れるように見守ることとする。そして、地球に帰還した神永が目を開いたところで物語は幕を閉じる。
初代ウルトラマンのゾフィーと異なり、ウルトラマンは死亡していないため「命を二つ持ってきた」という台詞はないが、「そんなに地球人が好きになったのか」という台詞は「そんなに人間が好きになったのか」として受け継がれている。
…要するに「ゼットンを操る宇宙人ゾーフィ」というガセネタが半世紀以上の時を経て公式のものとなったわけである。
なお、金と黒などのカラーリングなどは成田亨が1990年にデザインした「ウルトラマン神変」とも言われるが、実際には1996年にリデザインした新ヒーロー「ネクスト」を元にしたものと『デザインワークス』に記載されている。
更に近年では『ウルトラギャラクシーファイト』に登場する敵勢力・アブソリューティアンにも金と黒のカラーリングが用いられている。映像作品にはこちらの方が先に登場しているので、ゾーフィを見て彼らを連想したファンも少なからずいる事だろう。
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