後楽園ゆうえんちで僕と握手(こうらくえんゆうえんちでぼくとあくしゅ)とは、テレビCMでのキャッチコピーである。
概要
全国各地の遊園地で行われているヒーローショーでは、講演後にヒーローたちと握手ができるのがお約束であるが、こと東京映画配給株式会社(東映)においては、お膝元の後楽園ゆうえんち(現:東京ドームシティアトラクションズ)でのヒーローショーを特撮番組のテレビCMで毎週のように放送して強調しており、そのCM内の決まり文句がこの台詞である。
1983年(昭和58年)の『科学戦隊ダイナマン』から現在まで、形を変えて使用され続けている。
CMのナレーションを神谷明が長年担当していたのも特徴(1985年の『電撃戦隊チェンジマン』から2011年の『天装戦隊ゴセイジャー』まで)。
正確にはショーのタイトルを静止画の画面で発表した後、スーパー戦隊シリーズのレッドが「君達!後楽園ゆうえんちで、僕と握手!」と言う流れになっている(握手できるのも当初は戦隊レッドのみであった)。特にかつて昭和から平成初頭までは「スーパーヒーロー大集合!」という、東映発の他のヒーローも交えた大規模ヒーローショーを併用して行っていた為、スーパー戦隊だけでなく昭和末期までの仮面ライダーや、メタルヒーローシリーズのCMでもよく流れていたため、当時の子供たちの印象に深く残っていると思われる。
なお、CMでこの台詞を言うヒーローはスーパー戦隊シリーズのレッドが通例だが、CMの伝統から劇中の一人称が何であろうと、ことごとく「僕」と言わされている。特に『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイレッドはいつものノリでこの台詞を喋ったためか、「シアターGロッソでヴォクと握手ッ!」という、「僕」があまりにも似合わない台詞回しだったことから若干の話題を呼んだ。
変遷
後楽園ゆうえんち自体の名称変更や公演場所の変更により、何度かキャッチコピーは変更されている。
ただし2020年に新型コロナウイルスの影響で握手が自粛になってしまうまで、僕と握手!という文言自体は37年間継続していた。
- 後楽園ゆうえんちで僕と握手!(1983年- 2002年の『忍風戦隊ハリケンジャー』まで使用)
- 東京ドームシティで僕と握手!(2003年- 東京ドームシティの名称は2000年から)
- 東京ドームシティアトラクションズで僕と握手! (2010年 『天装戦隊ゴセイジャー』)
- シアターGロッソで僕と握手!(2011年- 公演場所が屋外から変更されたのは2009年から)
- シアターGロッソで一緒にキラめこうぜ!(2020年- 『魔進戦隊キラメイジャー』コロナ禍のため)
- シアターGロッソで一緒に全力全開!(2021年- 『機界戦隊ゼンカイジャー』同上)
- シアターGロッソで祭りだ祭りだぁ!(2022年- 『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』同上)
- シアターGロッソで僕と握手!(2023年- 『王様戦隊キングオージャー』より文言が復活)
※CM後のサウンドロゴについては、2000年の『未来戦隊タイムレンジャー』にて「東京ドームシティ」の名称で付くようになり、それ以降「東京ドームシティアトラクションズ(『ゴセイジャー』のみ)」⇒「シアターGロッソ(『ゴーカイジャー』と『ゴーバスターズ』のみ)」⇒「東京ドームシティ(『キョウリュウジャー』以降)」となっている。
その初出は古く、初めてこの台詞をCM内で言ったのは1983年(昭和58年)の『科学戦隊ダイナマン』のダイナレッドであるとされており、『大戦隊ゴーグルファイブ』以前は「君達!後楽園ゆうえんちで、待ってるぞ!」等であった。
元々、1983年の夏公演において入場する子供達が増加する時期を見越して、レッドが握手をして回るサービスを夏季限定で取り入れたものだったが、これが好評だったため夏を過ぎても継続していく事となり、『ダイナマン』ショーのCMにおいても後期からはキャッチフレーズとして取り入れるに至った、というのが始まりであるとされる。
また『ダイナマン』から当初は、カメラに向かって手を差し伸べながら台詞を言うというパターンであったが、1985年の『電撃戦隊チェンジマン』の年のみ例外的に3つのパターンで発言しており、カメラに手を差し伸べる、大勢の子供と一緒にアピール、そして子供を抱きかかえて握手、という内容であった。
そして『超新星フラッシュマン』以降は、前年3パターンの一つである台詞を言いながら子供を抱きかかえて握手をする演出のみのパターンが通例となり、台詞と共に定着するに至った。
この子供を抱えて握手する演出は、後述のキャッチコピーの変更以降も2019年まで35年間も継続している為知名度が高く、特に2000年代には「CMで握手をするエキストラの子供を一般客から募集」といった宣伝も流されている。
現在、後楽園ゆうえんちの名称は東京ドームシティアトラクションズとなっている為、このキャッチコピーは使用されていない。ただし、名称変更された2000年は、あくまで後楽園ゆうえんちを管轄する東京ドームを含めた敷地全体の名称だったため、その年の『未来戦隊タイムレンジャー』以降はしばらくはナレーションでこの二つの名称を併用しており、キャッチコピーもそのままの状態が続いていた。
だが2003年に後楽園ゆうえんちがフリーゲート化し名称自体を変更せざるを得なくなったため、同年の『爆竜戦隊アバレンジャー』で「君達!東京ドームシティで、僕と握手!」に変更された。即ち最後にこのキャッチコピーが使用されたのは2002年の『忍風戦隊ハリケンジャー』であり、その使用期間は19年だった事が分かる。
ちなみに、その後2009年よりヒーローショーが野外劇場とスカイシアターから屋内のシアターGロッソに変更となったが、その際にも「東京ドームシティで僕と握手!」というキャッチコピーを2年間使用し続けている為、2003年の事例も考慮すると企業側が「キャッチコピーを急に変更することで来場者の混乱を招くことに配慮している」方針であることが分かる。
また2011年には東京ドームシティでのコースター死亡事故が1月にあったことや3月の東日本大震災の影響で、同年2月開始の『海賊戦隊ゴーカイジャー』の放送期間中に『天装戦隊ゴセイジャー』の最終公演の中止を告知するお詫びCMに切り替わった為、約2ヶ月間CM自体が放送されない時期もあった。
新型コロナウイルスによる握手の自粛
長年握手を継続していた後楽園ゆうえんちの握手公演であったが、近年では2020年に新型コロナウイルスの影響で、一時期ヒーローショーの公演自体が中止になり、同年7月から再開されたものの、握手は見合わせるという状況となったために、CMも「シアターGロッソで一緒にキラめこうぜ!」というキャッチコピーに変更された。これにより、遂に「僕と握手!」という文言までもが『大戦隊ゴーグルファイブ』以来、37年ぶりに消滅してしまった。
そしてコロナ禍の長期化に伴い、翌2021年の『機界戦隊ゼンカイジャー』以降の作品も「僕と握手!」なしのCM及び、握手なしの公演が続いているのが現状である。
ただし、これは見合わせている間の一時的なものに過ぎないという見方もあり、今後時勢によって公演での握手が可能になった場合には「僕と握手!」のキャッチコピーが復活する可能性もあると言えるだろう。現に公式では代わりに「バーチャル握手会」なる動画もアップしており、自粛中ではあるものの握手会の重要性についての認識は変わっていないものと思われる。
ただその一方で、コロナ禍が1年を経ても収束せず、キャッチコピーの変更例が既に複数年を跨ぎ長期化している事から、今後握手が可能になったとしてもキャッチコピー自体は『キラメイジャー』以降の路線を貫いていく可能性もあるが、果たして…
「僕と握手」のキャッチコピー復活
上記の通り一部のファンからは「僕と握手!」のキャッチコピーがこのまま消滅するのではないかと危惧されていたが、2023年の『王様戦隊キングオージャー』にて、3シーズンの自粛を経て「僕と握手!」の文言が『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の2019年以来の復活となった。
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シアターGロッソ公式でも宣伝が行われており、更に今回は出演者の子供を短期間に何人も紹介するという構成になっており(「〇〇県〇〇くん(〇才)」等)、演出の強化も見られる。またスポンサーとして東京ドームシティに加え三井不動産グループが共催するようになった。
なお今回の主演であるギラ/クワガタオージャーの一人称は「僕」である為、特に違和感の無いCMとなっている。
キャッチコピーが復活した事により、今後も「僕と握手!」が継続していくものと思われる。
その他の公演における握手自粛
なお余談ではあるが、後楽園ゆうえんち(現:東京ドームシティアトラクションズ)以外の劇場で行われたスーパー戦隊のヒーローショーにおいても握手イベントが中止になる事がある。その中でも比較的有名なのが屋内公演「ファイナルライブツアー」における事例であろう。
この「ファイナルライブツアー」は2002年の『百獣戦隊ガオレンジャー』以降、番組の終了間際に北海道から九州まで全国各地の屋内劇場にてオリジナルキャストも出演して行う屋内型公演で、後楽園ゆうえんちのCMでも終わり際に告知されることがある。2020年3月に新型コロナウイルスの影響で『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の公演が中止になった事もあったが、現在でも継続しているスーパー戦隊の劇場公演の一つである。そしてその中で目玉だったイベントがオリジナルキャストとの握手会であった。
しかしこの公演は、ほとんどが児童層と保護者である後楽園ゆうえんちではない事や、オリジナルキャストが出演する一大イベントというその性質上、大きなお友達が多数入場するイベントという面もあり、実際開催当初から「特定の俳優に抱きつく」「特定の俳優を無視する」といった悪質な行為が問題になったといい、また2006年の『魔法戦隊マジレンジャー』の大阪公演では握手券を巡ったトラブルが起こったことを受け、2008年と2009年は大阪公演のみが握手会中止となり、2010年の『侍戦隊シンケンジャー』以降は握手会自体が一時廃止される事態になった。その後2013年以降握手会が再開されたものの、握手できるのは変身後の姿となり、キャストと直接握手することは出来なくなった。また前述の通り2021年以降は、「ファイナルライブ」の握手会もコロナの影響で現在も自粛中である。
歴代CMの一例
ジャッカー電撃隊(1977年)
悪に立ち向かうジャッカー電撃隊、みんな揃って、後楽園ゆうえんちに、応援に行こう!
科学戦隊ダイナマン(1983年)
我らがダイナマンと、シャリバン、ギャバンの、スーパーヒーローが手を組んだ!
ダイナレッド「君達!後楽園ゆうえんちで、僕と握手!約束しよう!」
超獣戦隊ライブマン(1988年)
レッドファルコン「後楽園ゆうえんちに、チョージョーセンタッ超獣戦隊!」
3人「ライブマン!レッドファルコン!イエローライオン!ブルードルフィン!」
我らが新しきヒーロー・ライブマン!空から!海から!大地から!勇気と正義の超獣戦隊ライブマン!後楽園ゆうえんちに現る!
レッドファルコン「君達!後楽園ゆうえんちで、ボクッアクシッ僕と握手!」
ウルトラツイスター絶好調!(1986~2000年まで存在したジェットコースター)
超力戦隊オーレンジャー(1995年)
遂に実現!至上最強の戦士が、地球を救うために手を組んだ!超力を込めたオーレンジャーの必殺パワーが炸裂!大地を揺るがすビーファイターの激戦バトル!正義の怒りに勝てる敵など、無いのだ!
流れるプールもやってるよ!(閉業していた後楽園ジャンボプールとは異なる、詳細不明)
忍風戦隊ハリケンジャー(2002年/以下は2003年の最終版、後楽園ゆうえんち最後の呼称)
ハリケンレッド「これが見納め!ハリケンジャー、最後の超忍法だ!」
永遠の別れを告げようと、後楽園ゆうえんちスカイシアターに5人が集結した!悪の忍法を破る為に!そして!君達に、さよならを言う為にッ!
轟轟戦隊ボウケンジャー(2006年)
ボウケンレッド「君に会う為に!俺達はスカイシアターに来たんだッ!」
素顔の戦士が君の前に立つ!東京ドームシティスカイシアター、究極のプレシャス・バトル!新たなる冒険者、ボウケンシルバー登場!
ボウケンレッド「君達!東京ドームシティで、僕(あれ?)と握手!」
ボウケンジャーボウケン迷路、好評につき、12月10日まで期間延長!みんな、遊びに来てね!
天装戦隊ゴセイジャー(2010年/ナレーション神谷明最終年)
一万年の時を経て、新しき宿命の騎士が今目覚めた。シアターGロッソに、ゴセイナイト降臨ッ!息を吞むバトルに、歴代レッドも駆けつける!
ゴセイレッド「君達!東京ドームシティアトラクションズで、僕と握手!(長っ…)」
海賊戦隊ゴーカイジャー(2011年/26年ぶりにナレーションが変更)
海賊戦隊ゴーカイジャーが…シアターGロッソに現れたァ…!
ゴーカイレッド「全速前進だぁッ…!君達…シアターGロッソで…ヴォクと握手ゥッ!」
前売り券、当日券、詳しくはWebで!
暴太郎戦隊ドンブラザーズ(2022年/僕と握手自粛期)
ドンモモタロウ「やぁやぁやぁ!始めようぜ!子供達!シアターGロッソだ!」
その名は、ドンモモタロウ!4人の仲間を従えて、奇想天外の面白さ!暴太郎戦隊ドンブラザーズ!シアターGロッソに現る!
ドンモモタロウ「君達ぃ!シアターGロッソで、祭りだ祭りだぁ!」
ドンモモタロウ「コマーシャルに出てくれるお友達!募集中!ショーを見てくれた人だけが貰える、QRコードから、応募してね!」
爆上戦隊ブンブンジャー(2024年)
Gロッソ!それは、興奮の大舞台!今年は、ブンブンジャーがバクアゲる!
アクションが、熱い!物語が、熱い!ヒーローが、熱い!この勇気と感動を、見逃すな!
爆上戦隊ブンブンジャーショー第一弾、シアターGロッソに現る!
パロディなど
いまだにネットとかで「(場所名)で僕と握手!」などとネタにされることがある。
ただし、近年まで関東ローカルのCMだったため、地方在住・出身の人には通じない可能性があるので注意されたい。
ラジオ『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』では毎回アバンにて「今夜もラジオの前で僕達と握手」と言っている。
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