集合とは、
概要
皆さんは、ニコニコ動画で動画を見る際に、どのようにして目的の動画にアクセスするだろうか。方法のひとつとして、キーワードやタグで検索するというものがある。検索結果は、ある条件に該当する動画が一覧になっているものである。このような一覧を、動画の「集まり」として見ることができる。この「集まり」を、数学では「集合」もしくは「族」といい、それに属しているものを「要素」または「元」という。検索結果を例にとると、その検索結果に表示されている動画が元にあたる。
集合は、単にものの集まりであればよいというわけではなく、「何が属していて、何が属していないのかがはっきりしていること」と「2つの元が同じものか違うものかがはっきりしていること」が必要である。たとえば、「もっと評価されるべき動画からなる集合」は、「もっと評価されるべき」という基準がはっきりしていないので定義できない。しかし「『もっと評価されるべき』というタグのついている動画からなる集合」は、タグがついているかついていないかで区別できるため、定義できる。ただ、タグは時間とともについたり外されたりするものなので、これも厳密には定義できないとも考えられる。時間を固定すれば問題ないことだが。
日本の数学教育では高校の数学Aで初出。それでも「こんなのもありますよ」程度で済まされることが多い。しかし、数学において非常に基本的で重要な概念であるため、大学に行くとこれでもかと言わんばかりに頻発する。あらゆるものを集合でくくり、そこに構造を入れたりする。
表記法
集合は通常、大文字のアルファベットで表記する。集合族(集合の集合)は太字で表記したり、特殊な文字を使ったりする。元について表記する場合は{ }でくくる。括弧内には元を具体的に列挙するか、元を表す記号とそれの満たす条件を|(縦線)で区切って書く。例えば次のとおり。
- {…,-2,-1,0,1,2,…}
- {x|xは整数}
前者のほうが具体的に書くことができるが、元の個数が無限である場合(無限集合という)、すべてを列挙することは不可能。集合の元の満たす条件が複雑な場合は、後者のほうがよりスマートに書ける。また、「○○全体の集合A」という言い回しがよく用いられる。実際、上の例はどちらも整数全体の集合である。これによって「aは○○を満たす」を「aはAに属する」と言い換えられ(逆もまた真)、条件についての表記を集合の表記に言い換える手段として用いられるのである。(後述する記号を使えば、もっと簡単に書ける)
よく使う集合
- 空集合
- 要素をまったく持たない集合。記号ではØを用いる。その性質から、あらゆる場面に登場する。
- 全体集合
- 考察する対象全体からなる集合。構造を定義して空間と呼ぶ場合もある。記号は、分野や筆者の書き方によって異なるが、主にXを用いることが多い(編集者の経験則)。特に、次の集合には固有の記号が割り当てられている。
- N…自然数全体の集合
- Z…整数全体の集合
- Q…有理数全体の集合
- R…実数全体の集合
- C…複素数全体の集合
記号
集合同士や要素との関係を表す際に、独特な記号を用いる。ここでは記号についてまとめる。アルファベット大文字は集合とする。
- 帰属
- aがAに属すること。a∈Aと書く。
- 包含
- Aの元がすべてBに属すること。A⊂Bと書く。
- 相等
- A⊂BかつB⊂Aを満たすこと。A=Bと書く。
- 和集合
- AとBの少なくとも片方に属している元全体の集合。A∪Bと書く。
- 共通部分
- AとBの両方に属している元全体の集合。A∩Bと書く。
- 補集合
- Aに属さない元全体の集合。Acと書く。
- 差集合
- Aに属して、かつBに属さない元全体の集合。A\Bと書く。(\はバックスラッシュ)
- 直積
- Aの元とBの元の組(a,b)全体の集合。A×Bと書く。
- べき集合
- Aの部分集合全体の集合族。2Aと書く。
集合の大きさ
集合の大きさを表す尺度として様々なものが考え出されている。
包含関係による大小関係
A=Bのとき、AとBは大きさが等しく、A≠BかつA⊂Bのとき、Aのほうが(真に)小さい、というもの。直観的でわかりやすいが、具体的な数値で表すことができない上、すべての集合を比べられるわけではない。
濃度
集合の元の個数の概念を、無限集合にまで拡張したもの。「大きさを表す尺度」というと、これを思い浮かべる人も多いだろう。Aの濃度を記号では|A|や#Aと書く。
AとBのそれぞれの元全体を、1対1に対応させることができれば、AとBの濃度が等しいという。対等とも言う。AとBが対等でなく、かつAと対等なBの部分集合が存在するとき、AはBより濃度が(真に)小さいという。
濃度による比較はあらゆる集合に対して行うことができる。A⊂Bのときは|A|≤|B|が成り立つため、包含関係による大小関係ともある程度対応している。(A=Bなら|A|=|B|だが、逆は一般には成り立たないので注意)
無限集合は無限というだけで一緒くたにされがちであるが、濃度では明確な違いがある。例えば、NとRは濃度が異なる。このように、無限にも大小があるのである。Nと対等な集合を可算、もしくは可算無限集合という。ZやQは可算無限集合である。可算でない無限集合は非可算無限集合という。RやCがその例であるが、もっと濃度が大きいものも存在する。ちなみにRとCは濃度が等しい。
可算無限集合は濃度でいうと無限集合の中では最小である。それどころか、非可算無限集合から見ると、可算無限集合はほとんど見えないようなものである。無限は有限に比べて、いや比べものにならないくらい途轍もなく大きいものであるが、非可算と可算にも同じことが言えるのではないだろうか。
測度
線分の長さや平面図形の面積、空間図形の体積は、それ自体が図形の大きさを表す尺度と考えることができる。これを、空間内の様々な部分集合に適用することを考える。これが測度の最初の考えであり、ルベーグ測度と呼ばれるものにつながる。
一般に測度とは、これを抽象化、一般化したもので、現在までに様々な測度が考え出されている。可測空間という、測度の定義できる集合族を設ける必要があり、かつ次の条件を満たさなければならない。
ちなみに、前述した濃度は、測度のひとつとして考えることができる。
同値関係
「ある属性が同じ」という関係。=は勿論のことだが、他にも命題の同値(真偽が同じ)、整数の合同(余りが同じ)、図形の合同(形と大きさが同じ)や相似(大きさを無視して形が同じ)、ベクトルの0以外のスカラー倍(それを含む直線の方向が同じ)、集合の対等(濃度が同じ)、位相空間の同相や線形空間の同型(構造が同じ)等がある。
一般に、集合Xで定義される関係「~」が次を満たす時、~を同値関係という。
同値類
同値関係~の定義された集合Xと、その元aに対して、次のようなXの部分集合を考えることができる。
[a]:={b∈X|b~a}
- a~b
- [a]=[b]
- [a]∩[b]≠Ø
つまり、2つの元の間に同値関係が成り立てば、同値類が全く同じ集合になり、同値関係が成り立たなければ、同値類は全く交わりを持たない集合になる。この性質により、X全体を同値類によって分割することができる。Xの同値類全体の集合をX/~と表記する。
関連動画
関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E9%9B%86%E5%90%88


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読み:シュウゴウ
初版作成日: 11/01/21 03:26 ◆ 最終更新日: 11/07/16 10:20
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