ダンピールといえば、通常は下記1か2のどちらかを指す。
ダンピールとは放浪民族ジプシーに伝わる、吸血鬼と人間のハーフであり、また吸血鬼を唯一退治出来ると思われていた吸血鬼ハンターである。
だが流浪民族ジプシーの伝承の為、名称や外見は各地域・伝承により様々である。
外見・特徴は地域によって様々である。
以上の特徴とは別に、ギリシア正教やイスラム教の聖職者の家からは生まれない、やはりただの人間でしかないという説もあり、諸説入り乱れている。
他の特徴としてはダンピールとして生まれたものは、死後吸血鬼になると考えられており、彼らの死後は吸血鬼予防策を念入りに行ってから埋葬していたようだ。
セルビアのジプシーの伝承によると、吸血鬼の姿は普通の人間には見ることができず、ダンピールだけがその姿を見ることができ、退治出来ると考えられていた。
この為、ダンピールが戦う姿は、現代ならば変な儀式、パントマイムにしか見えないものだという。
その退治方法は、ニンニクや十字架などよく知られたものから、笛(地域によってはタンバリン)で吸血鬼を呼び寄せる。そして一人で走ったり、服を脱いだり、シャツを丸めて望遠鏡のように使うなどの行動を行う。そうしているうちに吸血鬼は退治できたと宣言する。
このようにしてダンピールは村人から多額の報酬をもらい、かなり裕福な暮らしをしていた。中世のセルビアやバルカン半島の人々にとっては吸血鬼とは脅威そのものであったため、多額の報酬を支払っていたようだ。
もちろん現在の視点から見れば胡散臭い霊感商法そのものである。実際、かなり胡散臭い人物が闊歩してようだ。しかし当時の人々にとっては、「ダンピールが怪しいのは吸血鬼の息子だから当然だろう」と解釈していたようで、疑う者は非常に少なかったようだ。
このダンピールの儀式は近代まで残っていたことが確認されている。1959年に現在のコソボ共和国で行われた儀式が最後に確認されたダンピールの儀式であり、これ以降活動記録はない。
他に2007年、ヴァンパイアハンターを名乗るカメラマンが、旧ユーゴスラビア大統領、故スロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の墓を暴き、心臓に杭を打つ事件を起こした。
ミロシェヴィッチ大統領は生前、コソボで大虐殺を引き起こし、国際戦犯法廷で起訴された人物である。裁判が長引き、2006年に独房で心臓発作で亡くなった。
カメラマンは「悪人であるので、滅ぼさないと吸血鬼になる」との犯行声明を発表した。ちなみに犯行後警察に自首したが、とくに法的措置はとられなかった。
このようにダンピール(ヴァンパイアハンター)の伝承は東欧ではまだ根付いているのかもしれない。
掲示板
14 ななしのよっしん
2021/03/23(火) 22:10:01 ID: MUwo+6VTh6
何処で読んだか忘れたけど、菊地秀行先生は吸血鬼を殺す力を持つダンピールについては知ってたけど、あんまり使いたくなくて、けど適当な用語が思い浮かばないのでそのまま採用したとかなんとか。
自分が昔読んだ吸血鬼関係のテキストでは、吸血鬼殺しの力は子どもの時だけで、大人になったら親と同じ吸血鬼になるって話だったと記憶するが、あれこれ見ると、まあ諸説ありってことなんだな。
15 ななしのよっしん
2021/11/23(火) 11:30:44 ID: sG5CCeMR1w
「吸血鬼すぐ死ぬ」で知った語。
ヴァンパイアとの混血だとかのキャラがいる物語は少なくないと思うけど、
「ダンピール」の語が使われてるのは少ないよなぁ。大概ヴァンパイアハーフだとかで…
まぁヴァンパイア自体が、人間から変異したのか、人間とは別種な生き物なのか曖昧だしなぁ。
吸血されたり血を承けたりしてヴァンパイアになる、とかある意味「混血」だし…
「吸血鬼すぐ死ぬ」はゴリゴリにギャグながら、ちゃんと細かいトコまで調べてあったりして地味にスゴい。
16 ななしのよっしん
2023/01/07(土) 09:16:21 ID: zbNG6POopA
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最終更新:2024/05/01(水) 22:00
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