雁淵孝美(かりぶち たかみ)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズの登場人物である。
CV.末柄里恵。
※複数の記述のある項目については、特記のない限り、
「ワールドウィッチーズ」登場時 / 1944年(『ブレイブウィッチーズ』)
の順に並んでいる。
モデルは日本海軍航空隊のエース、鴛淵孝(おしぶち たかし)。妹に鴛淵光子を持つ。
南はラバウル、北は占守島までを股にかけた歴戦の戦闘機乗りであり、太平洋戦争末期には武藤金義(宮藤芳佳のモデル)なども所属した「剣部隊」こと343空で紫電改を駆り、本土の空を護った。しかし1945年7月24日、豊後水道上空で被撃墜・戦死した。妹思いの温和な性格の一方、空では勇戦する名指揮官であったという。
腰までの茶色のロングヘアーに同じ色の瞳を持ち、やや童顔ぎみの顔立ちの少女。服装は海軍の水練着の上に白い二種軍装を着用。使い魔はハイレベルなウィッチの証である鳥類の丹頂鶴。
いついかなる戦況にあっても明るい笑みを絶やすことがないタフな精神で周囲を安心させることができ、階級の如何によらず誰にでも話しかける親しみやすさと問題の解決に積極的な性格は隊内の融和に一役買うなど、指揮官としてもふさわしい人格の持ち主である。平和な時代が訪れた暁には、世界中を旅することを将来の夢としている。
ウィッチとしても戦闘技倆・操縦技術ともに高く、温和な性格とは逆に最前線で敵中に突っ込むことも辞さない力戦敢闘型。それが祟って負傷することもあったという。また、空母乗り組みの経験こそ多くないものの、海軍ウィッチとして空母への発着艦や洋上航法なども十分に身につけている。
固有魔法の魔眼はネウロイのコアを探知できるタイプだが、探知範囲が広い代わりに位置はぼんやりとした位置までが限界。これに加え、覚醒魔法として「絶対魔眼」を有している。これは複数のコアを同時探知・捕捉する高度な能力であり、自身の技倆と合わせて一挙に複数のネウロイを破壊できる一方、精神的にも肉体的にも激しく消耗し、シールドの防御力も大きく低下して無防備になるなど発動に伴うデメリットが極めて大きい切り札的存在である。
通信技師として佐世保・針尾送信所に務める雁淵浩平の娘で、母は竹子。佐世保航空予備学校に通う訓練生・雁淵ひかりを妹に持つ。
女子小学校卒業後、呉の海軍兵学校に入学してウィッチとしての教育を受け、少尉任官後は遣欧艦隊に配属されて欧州へ。折しもオラーシャ・東欧方面の戦況は悪化を続けており、カールスラント撤退作戦「ビフレスト作戦」後の東欧からの撤退を支援するためバルト海沿岸の軍港リバウに駐留する、「リバウ航空隊」のウィッチたちに孝美も加わることとなった。
孝美たちリバウ航空隊の任務は、撤退・縮小しつつある前線を構成する地上部隊を空から護り、また補給や撤退のための輸送船を護衛することであった。そのさなか、バルト海対岸のバルトランドとリバウを結ぶ輸送船を護衛していた孝美はゴッドランド島上空でネウロイと交戦。これを撃退しつつも左脇腹に重傷を負い、応急処置ののちブリタニアに後送され一時入院となっている。
入院後、中尉に昇進して扶桑へ帰国し、傷を癒やしつつ呉の兵学校で教官として後進を教育。復帰後は1944年までに第三航空戦隊で空母航空隊に所属したほか、試作機段階の新型戦闘脚・紫電のテストにも関わった。
1944年9月、三航戦の佐世保帰港直後に第502統合戦闘航空団<ブレイブウィッチーズ>から招聘を受け、久々の欧州派遣となった。しかし、孝美は遠征途上の交戦で重傷を負って昏睡状態となり、扶桑に後送を余儀なくされ舞鶴で治療を受けていたが、宮藤芳佳の治癒魔法により快復。新たなネウロイの巣”グリゴーリ”破壊を目指したフレイアー作戦に際して欧州に舞い戻り、502JFWの一員として作戦に参加した。作戦が最終的に成功した後は欧州を離れて扶桑へ帰国している。
その後、大尉に昇進し、大西洋において空母機動部隊として運用される第508統合戦闘航空団<マイティウィッチーズ>が結成されることとなると、これに先任士官として参加。これは同部隊に参加する扶桑海軍ウィッチの乗機が試作機段階から関わってきた紫電に決まったこと、温和な性格が多国籍部隊である統合戦闘航空団向きであることなどが評価されたことによる選抜であった。
妹であるひかりからは、憧れの存在として敬愛されている。脇腹の負傷時の傷痕もひかりにとっては「みんなを守るための名誉の負傷」であり見せてくれとせがまれることもあるが、これは流石に恥ずかしいようである。
のちに<マイティウィッチーズ>戦闘隊長を務める新藤美枝はリバウ航空隊時代の上長。この時の経験から美枝は孝美の戦闘技倆と性格を指揮官向きのものとして買っており、上述の紫電改の運用経験などと合わせて、孝美が508JFW隊員として選抜されるきっかけとなった。その他、リバウ時代には同じく遣欧艦隊で「リバウの三羽烏」と称された坂本美緒、竹井醇子、西沢義子らと面識を得ている。特に美緒は同じ魔眼持ちということもあり、彼女との交流は孝美が戦闘スタイルを確立するにあたって大きく貢献した。
また、ブリタニアでの入院時代には同じく負傷して相部屋で療養していたグンドュラ・ラルとも知己となっており、孝美の<ブレイブウィッチーズ>招聘もこの時の縁によるものであった。療養後に扶桑に戻ってからの兵学校での教官時代には、当時訓練生であった管野直枝を教えている。
また、二度目の負傷療養で快復に大きく貢献した宮藤芳佳には、妹ひかりと似た雰囲気を見てとり親しみを感じている。ただし、芳佳のほうが戦場経験が長い分、ひかりより落ち着きがあると見ているようだ。芳佳を通じて、その親友の山川美千子とも知己を得ている。
初出は『ストライクウィッチーズ2』付録の「全記録弐」第六巻。第508統合戦闘航空団<マイティウィッチーズ>の一員として紹介されたもの。
その後の『ブレイブウィッチーズ』製作時、雁淵ひかりが主人公として発表されるのと同時に、『ブレイブウィッチーズ』でもメインキャラクターの一人として登場するひかりの姉としてビジュアルが公開された。時を合わせて「ワールドウィッチーズ」でも紹介されている。
アニメ『ブレイブウィッチーズ』では、主人公ひかりの憧れの人物、目指すべき目標として登場。第一話の重要なポイントとなったシールドによる海渡りを難なくこなすなど、ひかりが憧れるに相応しい優秀な姉として描かれている。
しかし、第二話では多数の敵との単独交戦により重傷を負い、ジョーゼット・ルマールに応急処置を受けたのち後送されてしまう。このことが、自身の無力を痛感するとともに、僅かでも姉の代わりを務めなければならないとひかりを決意させ、彼女の<ブレイブウィッチーズ>参加に繋がった。
この負傷時の著しい魔力消費のために以後三ヶ月に渡って昏睡していたが、第九話Cパートにおいてついに目を覚ます。第十話では、ネウロイの巣“グリゴーリ”破壊のための切り札として扶桑艦隊とともに欧州ペテルブルグに舞い戻ったが、孝美は姉の帰還を喜ぶひかりにも硬い顔を崩さず、予定通りのカウハバ異動を言い渡した。自身が復帰した今、経験不足のひかりをこれ以上最前線においておくことは出来ない、と。
孝美も内心これまで頑張ってきたひかりを褒めてやりたい気持ちで一杯だったが、厳しく異動を言い渡さなければ、諦めない性質の妹が無理にでも頑張ろうとするであろうことを一番理解していたのも彼女だった。だからこそ、孝美は内心を押し殺してひかりに辛く当たらざるを得なかったのである。
孝美と、ひかりと、どちらがより502JFWにとって“役に立つ”か。それを判定するためにラル隊長の提案によって行われたコア特定の競争でも僅差で孝美が勝利し、502JFWに残ることとなった。そしてひかりがカウハバへと出発したその日、孝美は“グリゴーリ”との最終決戦、フレイアー作戦に挑むのだった。
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最終更新:2024/06/04(火) 22:00
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