カリブモンクアザラシとは、食肉目アザラシ科の動物。カリブカイモンクアザラシという別名もある。絶滅種。
概要
名前の通り、カリブ海で暮らしていたアザラシ。同じモンクアザラシの仲間である他の二種に比べ、原始的な種。
フロリダやバハマなど、珊瑚礁のある温暖な海に生息し、海辺で群れをなして活動する。体長は2m程度、体重は160kgだが、大きいものは200kgを越えたとも言われる。
背中は暗い色をしているが、腹の辺りは明るい色合いとなる。魚、タコ、エビなどを食べていたと言われる。他のアザラシの仲間と同じく泳ぎは早く、まず水中では捕まえられないレベルだった。ただし陸では足がないので、移動は酷く鈍いものになっていた。
繁殖期はオスが争い合う種や、ハーレムを形成する傾向の多いアザラシにあって、カリブモンクアザラシは一夫一婦制であり、オス同士争わず決めた相手と平穏に暮らしていた。
最初に発見したのはかの有名なコロンブスである。彼はカリブモンクアザラシのことを「海の狼」と呼んだが、どういった行動を見てそう称したのかは不明。
絶滅までの経緯
先住民は以前からこのカリブモンクアザラシを食肉用に狩りをしていた。陸での動きがとても鈍いので、かなり狩猟しやすかったようだ。
これが、アメリカに上陸したヨーロッパからの入植者達の台頭によって状況はさらに悪化する。入植者達は食肉や皮ではなく、その脂肪から取れる脂を求めてその巨体を狩った。さらに漁業関係者からも、商売を邪魔する者として嫌われ駆除されていた。
陸上なら棍棒で引っ叩いても殺せるくらい鈍重だったカリブモンクアザラシは、こうして次々と狩られていた。
さらに、入植者達の開拓による陸地開発は、カリブモンクアザラシの生息地を侵食していき、カリブモンクアザラシの住みやすい環境は次々と失われていった。かつては溢れるほど生息したと言われる彼等の姿はみるみるうちに減少した。
そしてついには見かけることも珍しい種となってしまう。最後に目撃されたのは1952年頃と言われている。
それから月日は流れて1967年のこと、ついにカリブモンクアザラシは絶滅危惧種に指定された。だが、最後に目撃されたのがその時点で10年以上経過しており、「遅ぇよ!」と言わざるをえない状況だった。
もうその時点で絶滅扱いされていたが、それから約50年後の2008年、ようやくカリブモンクアザラシは絶滅種として正式に認定された。あと十数年見つかるのが遅ければ、保護意識の高まりからなんとか生存していたかもしれない。
なお、このカリブモンクアザラシこそ、人間が主原因となって絶滅させられた初めてのアザラシである。
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