かまくらとは、秋田県や新潟県に伝わる小正月の伝統行事、
あるいは、雪で作った小山の中をくり抜いた雪室のことである。
概要
かまくらといえば、あの丸い雪室のことと考えている人が多いかもしれないが、
本来かまくらとは、秋田県や新潟県などの豪雪地帯で神様を祀る、小正月の行事のこと。
井戸端や路傍に雪室を作り、中に祭壇を設け、水神様をお祀りし、
家内安全・商売繁盛・五穀豊穣などを祈願する行事である。
それがいつしか、行事で作られたものにかぎらず、雪室自体を「かまくら」と呼ぶようになったのだ。
かまくらの語源は、竃(かまど)の形に似ているから「竃蔵」になったという説や、
雪室は神の御座所、つまり神座(カミクラ)であり、それが転じてかまくらになったという説など諸説あり、
はっきりとはわかっていない。
かまくらで有名なのは、なんといっても横手であろう。
横手のかまくらは約400年の歴史があるといわれており、
小正月の行事「横手かまくら」では、市内に100基ほどのかまくらが作られるという。
むしろを敷き、火鉢などを用意したかまくらの中に子どもたちが入り、
お参りにきた大人たちに甘酒や餅をふるまうのである。
雪国ならではの情緒を感じられる「横手かまくら」には毎年50万人もの人々が訪れ、
「みちのく五大雪まつり」のひとつにもなっている。
漢字表記
「かまくら」自体に漢字表記はないが、雪室・雪洞と書かれる場合もある。
- 雪室(ゆきむろ)貯蔵がすごい - 上越市ホームページ (city.joetsu.niigata.jp)
- 【これは「雪の洞窟」?ということは「かまくら」?】「雪洞」、あなたは読めますか? (do-gen.jp)
「鎌倉」は同音であるが由来という訳ではない。初見ではそれっぽく見えるかもしれない。
かまくらが豊富に作れるほど鎌倉市に積雪があるか?…といえばそうでもない。
鎌倉市 における冬の気象、平均気温(日本) - Weather Spark
その他
積雪量の少ない地域や都会においては雪集めが困難であったり、昼に気温が上がれば容易に溶けて崩壊してしまう、十分な量が確保できる積雪量では都市機能が麻痺するなど世知辛い。
厳密にはかまくらではないが、圧雪を切り出してブロック状にし球状に積み上げたものもある。
(→イグルー)
関連動画
関連項目
- 0
- 0pt