せたまるとは、かつて東急電鉄が発行していたICカード乗車券である。
概要
軌道線である、東急世田谷線専用のICカード乗車券であった。サービス開始は2002年と、交通系ICカードの中ではかなり先駆的な部類に入る。が、2007年に「PASMO」が導入されたため、サービス末期では世田谷線でしか使えないせたまるの存在に疑問符を抱いた人もいたとか、いないとか。せっかく、名称が世田谷線の「せた」、(ポイントが「たまる」、)利用者に◯(丸)をもらえるようにと「まる」を組み合わせたものだったのに…。[1]
「せたまる」には、「せたまる定期券」と「せたまる回数券」の2種類があり、入場する際に駅または車内に設置されているPASMOの端末とは別のチェッカー(簡易改札機)にタッチする。ちなみにPASMO・Suicaとは別の暗号になっていたため、重ねて使用しても理論上エラーは発生しない、とされていた(この現象は、PiTaPa下位互換のIC乗車カードを「PiTaPa交通ご利用エリア」外の共通利用先機器に重ねてタッチした場合でも同一)。
世田谷線は全区間均一の運賃なので、降車時にはタッチの必要はなかった。
なお、「せたまる」は世田谷線の三軒茶屋駅・下高井戸駅・上町駅の他、田園都市線の三軒茶屋駅(定期券売り場)で販売され、購入時(せたまる定期券の継続を除く)は、デポジット500円が必要になっていた。
2011年11月11日、東急電鉄は2012年3月中旬に世田谷線の定期券をPASMOに組み込めるようにすると発表した。それと同時に、2012年3月中旬にせたまる定期券・回数券の両方の発売及び、回数券タイプのチャージの取り扱いを終了し、2012年秋にサービスを終了させることを発表した。[2]
その後、2012年1月19日には、車内での回数券タイプのチャージの取扱いを2012年2月2日に、駅での回数券タイプのチャージの取り扱いを2012年3月16日にそれぞれ終了し、せたまるの発売も2012年3月16日に終了することを発表、同時に2012年3月17日からは、世田谷線でもPASMO・Suicaへのバス利用特典サービスを活用したポイント付与を行うことも発表した。[3]
具体的な機能
現在の取扱いを、青の太字で示しています(携帯などからは異なって見えるかもしれません)。
せたまる定期券
東急世田谷線におけるICカード系の定期券といったらPASMOではなくこっち…であった。記名式のため再発行可能。
定期券を購入する場合、絶対(強制的)にせたまるを購入しなければならなかった(せたまるが発売されていた時は、世田谷線には紙の定期券、PASMO定期券が発行できなかったため)。無論、世田谷線から京王線、小田急線、東急田園都市線への連絡定期券も存在しなかったため、他線と世田谷線を乗り継ぐ場合、定期券は必然的に複数枚になってしまうが、世田谷線への愛にあふれるあなたなら耐えられた…でしょう。
2012年3月17日からPASMOに世田谷線の定期券を組み込めるようになりました。ただし、このとき一緒に他社のバス定期券を組み込むことはできません(また、SuicaなどPASMO以外のICカード乗車券に世田谷線の定期券は組み込めません)。
せたまる回数券
基本的にはPASMOやSuicaでバスを利用した時と同じように、利用時に入金額から140円(小児の場合は70円)を引き去る。
PASMOやSuicaのバス利用特典サービスで見られるようなポイント制度はせたまる回数券にもあり、利用日、利用した時間帯に応じて、1回乗車した際1~4ポイントたまる。最終的に10ポイント以上たまると、次に追加入金(チャージ)を行った際に10ポイントごとに1回乗車分の金額(140円)が入金額に上乗せされる。
また、無記名式のため再発行はできないので、くれぐれも紛失しないように。
ちなみにチャージは1000円単位、かつ電子マネーとして使うことはできなかったため、残高・ポイントをキレイに使い切るのは非常に難しいが、世田谷線を愛するあなたなら耐えられた…でしょう。
ポイント付与サービスは2012年3月16日をもって終了となりましたが、残っているポイントが10ポイント以上ある場合、下高井戸駅・上町駅・三軒茶屋駅もしくは三軒茶屋駅田園都市線定期券売り場で、10ポイントごとに140円分のチャージ金額への上乗せを行います。
2012年3月17日からは、バス利用特典サービスを利用したPASMO・Suicaで世田谷線利用した際のポイント付与サービスを実施しています。このポイントは、バス利用特典サービスを導入するバス事業者のポイントと合算が可能です。
[試験的・現在は実施していません]クーポン発行・店舗での割引など
2006年2月6日~2月28日の間、世田谷線三軒茶屋駅、松陰神社前駅、世田谷駅、上町駅、山下駅、下高井戸駅に設置された専用端末にせたまるをタッチし、その後下高井戸シネマに設置されている端末に同じせたまるをタッチすると、映画の料金が割引になるとともに、下高井戸商店街での買い物のクーポン券が発行された。 [4]
関連サイト
- 世田谷線IC乗車券 せたまる(東京急行電鉄サイト内)
- [^1] せたまるの概要(国土交通省サイト>鉄軌道に関するICカード乗車券の概要について項目内)
- [^2] 2012年3月、世田谷線PASMO定期券の販売を開始します(東京急行電鉄サイト内)
- [^3] 世田谷線IC乗車券「せたまる」は9月30日(日)をもって使用終了となります(東京急行電鉄サイト内)
- [^4] しもたか×せたまるプロジェクト(シナジーメディアサイト内)
関連項目
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