定期券とは、鉄道やバス、船舶などで特定の区間を繰り返し乗車・乗船する乗客に対し発売する乗車券のことである。「定期乗車券」「定期乗船券」「マンスリーパス」などとも呼ばれる。
概要
定期券は通勤用と通学用に分類され、通勤用=一般用と考えて良い。通学用は、学生証と学校施設が発行する通学証明書がないと購入できない。通勤用定期券は事業者にもよるが1ヵ月あたり通常運賃の30~40倍(15~20往復分)程度の運賃が定められてることが多い。また、通学定期券は通勤用よりもかなり割安な設定にされている。
定期券は券面に記載された本人のみ使用可能。ただし、一部の公共交通事業者では「持参人有効」というタイプになっている場合がであり、記載された名義人と、実際にその場で使っている人の名前が違っていても大丈夫という特殊な定期券である。松江市交通局を除き通勤定期券と同額であり、多くの事業者では通勤定期券発行の際に「持参人有効で発券して下さい」と言うとそうしてもらえる。
主に以下の事業者でその存在が確認されている。公営事業者・東日本のバス事業者に多く見られる。
- 会津バスの通勤定期券
- 青い森鉄道の持参人式通勤定期券
- 一畑バスの通勤定期券
- 岩手県交通の持参人式定期券
- 遠州鉄道・遠鉄バス共通「通勤ワイドフリー定期券」
- 大阪市高速電気軌道・大阪シティバス共通全線定期券
- 小田急バスグループの通勤定期券
- 鹿児島市交通局の「ファミリー定期券」
- 鹿児島市船舶局(桜島フェリー)の通勤定期券
- 神奈中バスの通勤定期券
- 川崎市交通局の通勤定期券 ※PASMOの場合は"無記名のもの"に限り持参人有効に出来る。
- 関東鉄道バスグループの通勤定期券
- 北九州市交通局の持参人式定期券・全線定期券 ※全線定期券は12区通勤定期券・12区持参人式定期券と同額。
- 九州産交バスグループの持参人定期券
- 京都市交通局のうち
- 京都丹後鉄道の無記名全線パス
- 熊本市交通局の通勤定期券
- 熊本都市バスのIC通勤定期券
- 群馬バスの通勤定期券
- 京急バスの通勤定期券
- 京成バスグループのうち
- 京阪バス・京阪京都交通バスの通勤定期券 ※同じ京阪グループの中で京都京阪バス・江若交通バスは特にそのような記載が無いことから不可能の可能性あり。情報提供求む。
- 国際興業バスの通勤定期券
- 三陸鉄道の通勤定期券 ※JR線連絡定期券除く。
- 神姫バスグループの通勤定期券
- 西武バスの"無記名PASMO"通勤定期券 ※同じ西武バスグループの中で西武観光バスは特にそのような記載が無いことから不可能の可能性あり。情報提供求む。
- 仙台市交通局の持参人式定期券
- 丹海バスの持参人式定期券
- 秩父鉄道の急行定期券 ※別途有効な乗車券が必要。
- 東急バスの全線定期券・通勤定期券
- 東京都交通局のうち
- 東京メトロの"磁気"全線定期券
- 十鉄バスの通勤定期券
- 東武バスの金額式IC定期券・日光地区定期券・セントラル国際興業共通定期券・ウエスト西武バス共通定期券 ※金額式IC定期券は"無記名PASMO"にのみ対応。
- 名古屋市交通局のうち
- 南海バスグループの通勤定期券
- 西東京バスの"無記名PASMO"通勤定期券
- 八晃運輸(岡山市中心部循環バスめぐりん)のフリーパス
- 八戸市交通部の持参人式定期券
- 阪急バスの「うめぐるバス」専用定期券
- 阪神バスのhanica通勤定期券 ※220円・210円区間定期券なら阪急バスの同一運賃以内の路線にも乗車可能。阪急バス発行分は不可能の模様。
- 阪東バスの通勤定期券
- 北海道中央バスの持参人有効定期券
- 松江市交通局の持参人定期券
- 宮城交通バスグループの通勤定期券 ※特急バス除く
- 名鉄バスの一般路線バス用通勤定期券
- 横浜市バスの通勤定期券
以下の事業者では持参人有効式の定期券をかつて発行していたが、廃止した。
- 関東自動車(栃木県) ※2021年3月、totra導入に伴い廃止。
- 北九州高速鉄道 ※2015年10月、SUGOCA導入に伴い廃止。
- 神戸市交通局 ※廃止時期不詳。
- じょうてつバス ※2014年3月、SAPICA導入に伴い廃止。
- 西鉄バス ※2021年7月、福岡都心エリアの運賃値上げ(100円→150円)に伴い、同エリア限定の「福岡都心100円エリアフリー定期券」も廃止。
有効期間は1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の3種類が殆どで、通学用には1学期・2学期・3学期と学期間有効のものもある。有効期間が長いものほど割引率も大きく、3ヵ月定期は1ヵ月よりも、6ヵ月定期は3ヵ月定期よりも1月あたり2回乗車分ほど安く設定されているのが一般的である。
バスなどで均一運賃の場合は実質的にその営業所内乗り放題になる場合もある。
日本の全ての鉄道事業者では定期券での途中下車が認められている。
なお名古屋市営地下鉄の通学定期券はかつて途中下車が認められていなかった。1957年に制定された市の条例(名古屋市高速電車乗車料条例施行規程)で「途中乗降は通学定期を除き、制限しない」という条文が存在したため。
この条文は1973年に撤廃された。
近年、IC乗車券の導入が進んだことで定期券のIC化も進んでおり、記名式のIC乗車券では紛失時の再発行が可能になったほか、乗り越し精算の自動処理が可能、携帯電話への搭載が可能(モバイルSuica・モバイルPASMO等)となったメリットがある。ただし、連絡定期券の発行に対応してなかったりするデメリットもある。
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