バットマン:イヤーワンは、DCコミック社のアメコミ。著者は名作『バットマン:ダークナイト・リターンズ』を手掛けたフランク・ミラー。
概要
一大クロスオーバー『クライシス・オン・インフィニット・アース』によって改変された世界観に合わせてバットマンの設定を一新した「オリジン(誕生譚)」であり、政府非公認のクライムファイターとしてのバットマン像が明確に打ち出されている。「ゴッサムシティの犯罪者を一掃する」という同じ目的を持った二者、バットマンとジェームズ・ゴードン刑事が非公式の協力関係を結ぶまでを描く。映画『バットマン ビギンズ』の原案でもある。
ヴィランと呼べるヴィランがおらず、リアル路線が徹底して貫かれている。『ダークナイト:リターンズ』と比べて一見地味な印象を受けるかもしれないが、その分人間ドラマに重点が置かれており、活動一年目(Year One)でまだ手探り状態のバットマンと、警察内部の腐敗に苦闘するもう一人の主人公ジム・ゴードンの心理的な交錯は非常に味わい深い。
ラストシーンにはバットマンの宿敵、ジョーカーの登場と対決を予期させる描写があり、冒頭に書いたようにバットマンの世界観を一新させる作品となった。
2009年に出版された『バットマン イヤーワン/イヤーツー』には本作に加え、活動二年目を描いた「イヤーツー」が併録されている(作者はミラーではなく、マイク・W・バー)。
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関連項目
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