オールスター(All-Star)とは、ヨメガが発売するヨーヨーの名である。
概要
ナイロンベアリングやボールベアリング機種で名をはせたヨメガがリリースした固定軸機種。
これ以前に、ヨメガは「パンサー」という木製固定軸機種を出しているのだが、プラスチック固定軸は初。
ハイパーヨーヨーでの名前は「ハイパースター(2期)」、「モンスターシェル(3期)」。
回転楕円体ボディに金属アクセル、スターバーストと、王道のインペリアルタイプである。
したがって、性能は「ダンカン・インペリアル」とほぼ同じであり、特筆することはない。
遅すぎた発売
なんと1998年発売。
本家本元の「ダンカン・インペリアル」が1954年発売であり、50年近く遅れている。
ヨメガは、昨日今日できたメーカーではない。
「ブレイン」をひっさげて創業してから、15年も経って古典的な機種を発売したことになる。
理由はいくつか考えられるが、当時はナイロンベアリング機種でも高価であり、10ドルを切るヨーヨーのラインが必要であったことや、固定軸に愛着を持つユーザーのことも考えていたものと思われる。
日本ではこの頃すでにハイパーヨーヨーの展開が始まっており、子どもたちの注目は「ハイパーブレイン」や「ステルスレイダー」などのハイテク機種に集まっていた。固定軸はダンカンが担当していたが、相対的に使いづらいと思われるようになり、お小遣いの少ない子どもが仕方なく買うものになっていた。
そんな中、「ハイパーインペリアル」とかぶるヨーヨーを今更出せるわけもなく、本機は第1期ハイパーヨーヨーの時点では展開されることがなかった。
90年代のオールスターは、アメリカのおもちゃ屋さんで細々と売られるにとどまった。
もとよりその予定で作られたヨーヨーと思われ、「今更時代遅れの機種を出してコケた」というものでもない。
このような製品は、ニッチにはまり込んだままいつの間にか生産されなくなるのが常なのだが、本機はその後も数奇な運命をたどり、断続的に生産されている。
掘り出したバンダイ
2003年末、第2期ハイパーヨーヨーの展開がスタートする。
この時、ヨメガは「ファイヤーボール」「ハイパーレイダー」「メガブレイン(パワーブレイン)」の3機種をOEMする。
ダンカンは「フリーハンド」であり、リリース第1弾の段階では、固定軸のラインナップはなかった。
第2弾はなぜか固定軸であり、両ブランドから代表的な固定軸機種がリリースされた。
この時ヨメガが製造していた固定軸は「オールスター」と「パンサー」だけ。
ヨメガからは「オールスター」が選ばれ、「ハイパースター」という名前でリリースされた。
本家ダンカンからは「ハイパーループ(ダンカン・プロヨー)」が選ばれたため、これとの差別化という意味合いもあったものと思われる。
2010年の第3期ハイパーヨーヨーは、固定軸などの基本機種からリリースを始めるという第1期の方針に立ち返った。
今回はヨメガ・ヨーヨーファクトリー・ダンカンの3ブランドから1機種ずつリリースされることになったのだが、ダンカンからは「ウッドバレット」、すなわちまたもや「ダンカン・プロヨー」が選ばれた。
そうすると、ヨメガにお鉢が回ってくるのはやはり「オールスター」であった。
ヨメガはもういい加減固定軸の製造を停止していたのだが、オールスターはバンダイの販売戦略のためたたき起こされ、「モンスターシェル」として再度販売されることになったのである。
要するに、「プロヨー」との差別化に便利だから、という理由で、ハイパーヨーヨーが出る度に本機は復活していた。
ヨメガがとりあえず出してみた固定軸、というポジションに終わるはずだったオールスターは、何度も名前を変えながらいつの間にか本家並みに担ぎ出されるヨーヨーとなっていた。
2017年現在、第3期ハイパーヨーヨーの展開は終了し、「オールスター」もヨメガ公式サイトのラインナップから消えた。
ヨメガ固定軸機種は、バタフライ型の「アルファウイング」に交代して販売が続けられている。
地球の裏側で固定軸インペリアル型モデルが必要とされたとき、オールスターもまた復活するかもしれない。
派生機種
オールスターウルトラ
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サイドキャップが分離式になり、ちょっと豪華になったオールスター。
1999年、ハイパーヨーヨーの最末期に、店舗を限定して販売された機種。
当時、認定レベルの「ベーシックレベル99」や世界大会規定トリック部門は、固定軸の使用が義務づけられていたため、新型固定軸機種もリリースする必要があった。
本機はごくわずかな期間しか販売されておらず、その後は本家「オールスター」の方が復活した。
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関連項目
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