公理とは、前提・仮定である。
概要
複数の公理がセットになったものを公理系と呼び、前提として用いられる。公理系の公理を組み合わせて演繹的に証明された定理とあわせて一つの論理体系となる。
ここで発想を逆転させて定理とされていたものから公理を用いずに公理を証明したら、定理とされていたものが公理で公理とされていたものが定理ということができなくもないので、当たり前のことが公理であるというのは多少不正確なのかもしれない。とはいえ、公理系の公理は当たり前に見えることが選ばれるのが通例である。
真実はいつもひとつ?
ユークリッド幾何学は5つの公理と5つの公準から始めて多数の定理を証明したことで公理系の例として知られている。しかし、実はユークリッド幾何学は「歪みのない2次元・3次元空間の出来事である」という公理系に含まれない前提が隠れていたのである。 → 非ユークリッド幾何学
公理系は無矛盾が求められるのが常であるが、無矛盾な公理系は実は一つだけとは限らない。「当たり前」の組み合わせは実は複数存在し、既存の当たり前の組み合わせ=常識を疑えば新たな常識=公理系=世界が開けることもあるのである。
当たり前であればあるほどそれに疑問を抱いたりすることは難しいが、たとえば上記非ユークリッド幾何学のように歪んだ空間を前提とした幾何学を発見できる場合もあるし、あるいは除算を封印して整数しか扱わない計算体系を考えることもできるかもしれない。
関連項目
- 命題
- 定理
- ユークリッド幾何学 / 非ユークリッド幾何学
- 数学
- 論理学
- 不完全性定理
- 圏論 / 虚数 / 四元数 / 超実数
- 1+1=2
- 幸福は義務です
- 普通
- 常識
- 常識に囚われてはいけないのですね!
- その発想はなかった
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