有価証券報告書とは、金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料である。もっとざっくり書けば企業の健全性を示すための必須資料。略して有報。
概要
詳しい内容はWikipediaなどに譲るが、大まかに書いてしまえば、主に株式を公開・店頭登録している、あるいは新規公開を行おうとしている株式会社などに義務づけられた提出書類で、事業年度終了後3ヶ月以内に金融庁への提出が義務づけられている。ちなみに開示資料なので財務局や証券取引所で閲覧可能。また現在はEDINET(有報や公開買付届出書、定款や株主総会の通知などをネット上で開示するシステム)への電子提出が義務づけられているので、インターネット上でEDINETで見ることもできるし、企業によっては公式サイトのIRライブラリに掲載している。
記載内容としては、企業概況や当該年度の事業の状況、翌年度の事業の見通しや経営課題、経営リスク、財務状況、事業所などの設備や関連会社、大株主や役員、コーポレートガバナンスの状況などなど。もちろん財務諸表など各種数字も載っている。これを見ることでその企業の経営状態や事業の状況、企業としての今後の取り組みを知ることができ、投資家としてはこれを判断材料の一つとして株を売買することになる。もちろん株主であれば、株主総会で質疑応答の際質問するための重要な資料ともなる。
一方で、法律で提出が義務づけられている以上、虚偽記載を行ったら重大な犯罪となる。虚偽記載や改ざんを行った場合、個人は10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科、法人は7億円以下の罰金と定められているほか、証券取引所の上場基準に抵触した場合は上場廃止となりかねない。企業側としては経営資金の調達に支障が出るのはもちろん、株主側も株価の下落や上場廃止となったら損害を被ることになるので、責任追及で株主総会が大荒れになるし、場合によっては法人や経営陣に対し株主代表訴訟が起こされることもあったりする。
過去には西武鉄道のコクド保有株式数の長年の虚偽記載、ライブドアの架空の売上計上による決算水増し報告、カネボウ・オリンパス・東芝などの粉飾決算、直近では日産自動車会長カルロス・ゴーンの役員報酬の過少記載などが問題となった。
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