『流しそうめん』とは、竹樋にそうめんを流し食する、そうめんの食べ方である。
鹿児島など一部の地域では「そうめん流し」と呼ばれるが、この呼び方はとくに「回転式そうめん流し」のことを指す場合が多い。→そうめん流し
概要
宮崎県の高千穂峡が発祥の地とされている。野良仕事の合間に青竹と岩清水を使いそうめんを食していたのが始まりと言われており、昭和34年に商業ベースに乗せてアピールされ、夏の風物詩として全国から注目を集めた。
鹿児島県指宿市(旧開聞町)の唐船峡でも当初は竹樋を使用した流しそうめんが行われたが、竹樋は使用限界が短く、流す労力も必要であるなどの欠点もあった為、たらいの上でモーターを使い水の流れを起こす回転式の「そうめん流し」が発明され、昭和42年より町おこしの一環としてそうめん流しをアピールしている。
見た目の清涼感がありイベント性が高いことから抜群の知名度を誇るが、竹樋などの準備が面倒で、実施する時も常に上からそうめんを流す人が必要で水も流しきりとなるなど実施には手間が多く、知名度の高さに反して実際にお目にかかれることはなかなか少ないかもしれない。
2020年代は新型コロナウイルス感染拡大もあってか、多くの人がそうめんを流れている水に箸を突っ込んでいる不潔感が気にされるようになり(そうめんを取る箸と実際に食べる箸を分けている場所もあるが)、敬遠する人も見受けられる。
2023年には使用していた湧き水が汚染されていた上に水質検査を営業開始前に実施しなかったことで、大規模食中毒が発生し廃業に追い込まれる事案も起きている。
流しそうめん と そうめん流し
上記のとおり、昭和34年に高千穂峡が「流しそうめん」として竹樋で楽しむスタイルをアピール。昭和42年以降、唐船峡が回転式そうめん流し器で楽しむスタイルを「そうめん流し」としてアピールした。
つまり食べ方によって呼び方も異なるのだが、実際は竹樋で流すスタイルが定着した地域では回転式そうめん流しの事も「流しそうめん」と呼び、逆に回転式そうめん流し器が定着した地域では竹樋を使った流しそうめんの事も「そうめん流し」と呼ぶ人が多い。
南極地域観測隊では冬明け後(11月前後)のそうめん流しが恒例行事となっている。昭和基地には竹樋がない為、ピッケルで氷上に溝を作り上流からポリタンクでお湯を流し食する。形体としては「流しそうめん」だが、行事名として「そうめん流し」が定着している為、「流しそうめん」地域の隊員は違和感を覚える様である。
関連動画
作ってみた
二次元と流しそうめん
関連静画
関連項目
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