「用意周到丸山流」とは、日本将棋連盟のA級順位戦において、軽食の用意でさえ周到な丸山忠久(九段)の棋風を、解説の千葉涼子(女流棋士)が呼称したものである。盤外戦術の準備も万全である所を皮肉したとも取れる。
概要
A級順位戦 丸山忠久九段 対 藤井猛九段 の対局において、深夜12時を回った中盤の緊迫感溢れる局面、丸山は駒の精算によって有利に進めると、直後、おもむろにコンビニの袋の中を探り始めた。そして、固形の栄養価の高い栄養食(おそらくカロリーメイト、チョコレート味)を一つ取り出すと、堂々と食べ始めた。
周囲は依然として緊迫感に包まれている。別室の解説者たちはこの状況に戸惑い始めた。-----何という異質さなのか-----もはや局面の解説はおろそかになり、専ら丸山の食事描写をし始めるようになった。「12時過ぎてから食料補給」 「モグモグしてますねぇ」 「ポーカーフェイスが極まっている」 「用意周到丸山流」 ・・・といった名言が、次々と生まれていった。
△4六飛。丸山は王手金取りに飛車を打ち下ろした。藤井がどう受けても金がタダで手に入り、丸山陣へ迫る脅威も消える。さらに△2八馬と、銀を取る手も残されている。局面は誰が見ても丸山優勢となった。
2個目のカロリーメイトをたいらげる丸山。藤井は持ち時間を使い切り、残り1分の秒読みに入った。丸山は再びコンビニの袋をガサガサさせると、袋を開け、3個目を食べ始めた。ここで、トドメの解説に
藤井が投了して終局となった。丸山は袋を持ったまま頭を下げ、渋い表情で淡々とペットボトルの水を飲み始めた。
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