概要
認知バイアスの一つ。
先入観を基にして自身に都合がいい情報を集め、都合が悪い情報を無視する傾向性のことで、要するに「人は信じたいものしか信じない」ということである。
人間は心理的に「自身は正しい」と思いたい、間違っている場合は心理的なストレスを受けるため避けたがる。そのため、収集する情報の中で自身にとって都合がいい情報を見つけて"正しさ"を確証する。逆に都合が悪い情報は避けるか見つけても「その情報が間違っている」という風に疑うことで"正しさ"に傷をつけないようにする。
後から来る情報で"正しさ"を追認するという意味で追認バイアスともいう。どちらも英語ではconfirmation biasとなっているため、海外では区別されていないようだ。
掲示板の議論が紛糾している場合、自身または相手が確証バイアスに陥っており都合の悪い部分を無視している可能性がある。
相手の意見を頭ごなしに否定することなく紳士に向き合う姿勢が大事である。反対意見にも耳を傾けられる柔軟性を持ちたい。
類似事象
フィルターバブル
インターネットで日々検索しているキーワードにより検索エンジンが最適化した結果、偏った情報しか見れなくなる事象。自身の好みに合う情報ばかりが表示され、好みに合わない情報との接触が制限されたような状態となる。検索エンジンが検索履歴からその人に合った情報を提示するように改良されていった弊害と言える。
自身の検索履歴と検索エンジンにより自身にフィルターをかけて好みの情報という泡に閉じ込められてしまい、外の世界とは分断されるという様からの命名である。
エコーチェンバー
主にSNSにおいて価値観の似ている相手またはグループ内で意見を交換し合い、特定の意見や思想が強化されていく事象。エコーチェンバーは心理学用語で集団思考と呼ばれる状態になりやすく、そうなると意見や思想が単純に強化されるだけでなく、過激なものになっていきやすい。
SNSに限らず外部からの空気が入りずらい閉鎖的なコミュニティであればどこでも発生しうる。SNSができる前では新興宗教等の団体(代表的な例としてはオウム真理教)などで発生することが多かった。SNSではグループを作ると招かれない限り中に入ることは困難であるため、似た価値観の人が集まり簡単にエコーチェンバーの土壌が完成する。
なお、ニコニコ大百科の掲示板でもエコーチェンバーは容易に発生する。どう考えても非常に多くの記事に個別でついている掲示板全てに多種多様な意見が集まるというのは楽観が過ぎるためである。
エコーチェンバーとは反響室のことであり、同じ意見が反響しあって増幅する様を表している。
バックファイア効果
自身の意見に対する反対意見(反論や誤りの指摘など)が現れると却ってその意見をより強く信じようとする傾向。意固地になっているようなもの。確証バイアスと真逆に見えるが、根本は「自身は正しい」を守りたいから出ているため同じである。
英語でbackfireとは「裏目に出る」という意味であり、反対意見を出して考えを正そうとしたら裏目に出てしまったということになる。
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関連項目
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