「思い込む」という事は何よりも「恐ろしい」事だ………
思い込みとは、
- 疑うことなく信じ込むこと
- 固く決心すること
である。1について解説する。
概要
物事を疑うことなく盲目的に拘って深く信じること。先入観とも言う。
思い込みの力というのは案外バカにできないもので、人は思い込むことによって能力値以上の成果を発揮したり、逆に能力を発揮できなかったりする。(→限界の記事も参照)
歴史上では、自分が神に選ばれたと思い込んだ英雄たちによって人類の歴史が紡がれてきた一面もある。
あるいは、危機意識が欠如し怪我をしてしまったり(→生存バイアス)、それに縛られた結果活動範囲を狭めて損をしてしまうこともありうる。
また「自分だけは大丈夫」「みんながやっているから大丈夫」「今まで大丈夫だったんだから大丈夫」と
根拠のない自信は現実世界でも死亡フラグになりうるため、準備不足・ながら運転・歩きスマホはトラブル、重大な事故や犯罪に巻き込まれる前にやめておこう。あなたの無防備な背中を狙うのは簡単である。
→(認知バイアス / 正常性バイアス)
思い込みに囚われてしまったが故に大事故が発生してしまうこともある。→メーデー!:航空機事故の真実と真相の記事も参照。
相手の立場と自分の立場との違いを認識しないままのやり取りを重ねることで相手がとんでもない人間だと思い込んでしまうことも笑いを誘う手段として使われることがある。→アンジャッシュ、勘違いコントの記事も参照。
行動・選択が阻害されることも
「普通はこう」「これが普通」「こうしなければいけない」といった思い込みによって緊急時、新規のアイデアが必要な場合、ネタ切れといった事態に陥った際に選択できる行動が大きく阻害されるため、柔軟な発想・逆転の発想など、常識にとらわれない創造性も必要である。
結果的に常識外れな策になる場合もあるが、うまく行けば解決に加えて大きな話題になることも。
上手く利用したもの
言われてみれば簡単に気付くのに、言われなければ別の要素に気を取られて気付かない問題など、錯覚や手品、ひっかけ問題といった様々な分野に応用されている。存在の有無・状態・目的を誤認させるなど古来の戦争から現代戦においても広く用いらている。
創作作品技法においては伏線であったり、ミスリードを誘うことで読者を翻弄し驚かせるなど作者のセンスが光る。この点は叙述トリックの項目が詳しい。
ただし他人を都合よく動かしたり、詐欺などに悪用される場合も多い。(後述)
イメージと異なるもの
第一印象や肩書から思い込みを起こされる場合も多い。
- スポーツの強豪校だからといって…
- 有名大学出身だからといって、即戦力になって仕事がバリバリできるかといえば別の話。
- 美人/イケメンだからといって、内面まで綺麗かといえば別の話。
- (→ただしイケメンに限る)
- 鳴り物入りで発売された有名ゲーム会社の新作だが、面白いとは限らない。
- ぱっとしない見た目のゲームだが、つまらないとは限らない。
- 有名企業だがブラックでないとは限らない。
悪用するもの
もちろん、知らないからといって相手の言うことを疑うことなく信じ込むことや、常に自分の身や周囲の人間・環境が安全だと思い込むのも危険である。
悪意があれば無知な人間を思い通りに動かすことができる。
「無知な状態」に対し、「偽造された普通・常識」の情報を書き込まれるため。
- 金銭や物品といった財産や、時間、労力(労働力)を安価・無償で奪われる。
- 詐欺や個人情報の収集、悪徳商法といった様々な手口にも用いられる。
- 安全と思い込ませ圧倒的に不利な環境に追い込み、身体生命に危害を加える事もできる。
- 自分は安全・大丈夫だと思い込んでいる人間を襲う。(歩きスマホなど)
- 好感度を上げて信用させ、怪しげな物品の購入やカルト宗教への入信などを誘う。
「現在の自分の行動は間違っていない」という自信、思い込みも結構だが、
それは相手の行動までは保証できない点に注意したい。
異常・違和感を感じ取るためのアンテナを常に張っておくことも重要である。
「これが普通」「どこも一緒」「××が言うのだから」と疑いなく思い込ませるなど相手の無知や罪悪感を悪用・刺激することで利益・時間・労働力の搾取を行うのは悪人の常套手段であるため、違和感に対して「よく分らんけど調べるのが面倒」なんて言ってはいけない。
「みんなやってるから正しい」「自分だけ違うのは恥ずかしいこと」…といった思い込みを悪用し選択の自由を奪う、逃げられなくするパターンにも要注意。正当性を人数だけに頼る人や、PTAの強制加入などがこれにあたる。
フィクションにおいて
自らを特別な存在だと思い込んで、回りに混乱をもたらすキャラクターが時おり見られる。時には歴史上の偉人も思い込みが激しいが故に回りを巻き込んだ人物として描かれる。
- リュック・ベッソンの『ジャンヌ・ダルク(映画)』ではジャンヌ・ダルクは自らを神に選ばれたと思い込んだキャラクターとして描かれた。
- 『Fate/Grand Order』ではジャンヌ・ダルク(Fate/Apocrypha)が他人を弟/妹と思い込む狂人として描かれた。→姉を名乗る不審者の記事も参照。
- 『プリンセスコネクト!』『プリンセスコネクト!Re:Dive』では、他人を弟と、自らを姉と思い込むキャラクターが登場する。
- 『ジョジョの奇妙な冒険』第3部ではエンヤ婆がDIOに向かってスタンド(ジョジョの奇妙な冒険)を制御するために「スタンドを操るということは 出来て当然と思う精神力なんですぞッ!」と操れて当然と思い込むことが大切とアドバイスを与えている。
- 『ひぐらしのなく頃に』では疑心暗鬼で思い込みを深めてしまったが故に悲劇を引き起こすキャラクターが多数登場する。
- 『巨人の星』ではOPの歌詞と映像が奇跡的に重なってしまい、「思い込んだら」で整地用ローラーの名前が「コンダラ」と思い込まれるといった勘違いを引き起こした例もある。
関連動画
関連静画
関連リンク
関連項目
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