蒸気機関とは、蒸気を使って熱エネルギーを運動エネルギーに変える機械である。
概要
ヤカンを想像してもらいたい。
ヤカンに水をためて火にかけると沸騰して蒸気が出てくる。
でてきた蒸気は口から吹き出して来てピューと笛を吹いて音を出す。これがボイラーである。
ボイラーが生み出した蒸気は熱くて膨張していて大きなエネルギーを持っている。
このエネルギーをどうにかして運動エネルギーに変換するのが広い意味での蒸気機関である。
具体的なエネルギーの取り出し方というのが重要なところ。
石油などの燃料を燃やすボイラーから熱エネルギーを取り出す蒸気機関が一般的だが、原理的に熱エネルギーなら何でも良い。そのため地熱を利用する地熱発電や、核分裂反応を利用する原子力発電は蒸気機関を使うがボイラーはない。
世界初の蒸気機関と呼ばれるヘロンの蒸気機関は吹き出した蒸気の勢いでクルクル回るというシロモノだった。
現代では、一般に蒸気機関といえば、発生させた蒸気を風車(タービン)に当ててクルクル回し、回転運動を取り出して、更に発電機に繋ぎ電気エネルギーとする発電用が大多数を占める。
原理上大規模な方が高効率になるため、据置式の巨大なプラントがほとんどである。
かつては蒸気機関車で使われている蒸気機関のように、ピストンを蒸気の力で駆動するモノ(レシプロ型)を指していた。蒸気圧が円筒内部のピストンを押してピストンの往復運動として取り出すことができるのである。
このレシプロ型は現代では殆ど見られなくなった。
この蒸気機関が工業の世界に活用された結果、既に芽生えていた工場制機械工業の進展を加速させ産業革命を大いに助けることになる。
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