概要
要するに明治維新後の直宮を除いた親王家のこと。四親王家のように確たる史料用語ではないが、みんながみんな臣籍降下して旧皇族になったわけではないので、便宜上こう呼ばれる。
その経緯だが、幕末に近世において異例の伏見宮家系皇族の大量の還俗があったことがきっかけである。皇室のスペアといえば聞こえはいいが、強い権威と権力を持つ遠い親戚を大量に抱え込むこととなり、こうした人々が政治軍事に大いに介入していったのである。
久邇宮家
伏見宮邦家親王第四王子・久邇宮朝彦親王に始まる家。青蓮院門跡から還俗した朝彦親王ははじめ中川宮、次いで駕陽宮と改め、幕末の公武合体派の中心人物となった。その経緯から一時期もろもろ剝奪されたが、復帰して久邇宮となった。2代目の久邇宮邦彦王は「宮中某重大事件」の重要人物として有名。
山階宮家
伏見宮邦家親王第一王子・山階宮晃親王に始まる家。朝彦親王と同じく還俗し、王政復古の大号令当初は中心人物となっていたが、退いた。その後は海軍軍人を輩出している。
小松宮家
伏見宮邦家親王第八王子・小松宮彰仁親王に始まる家。明治36年（1903年）に断絶し、名跡は華族位となった。
華頂宮家
伏見宮邦家親王第十二王子・華頂宮博経親王に始まる家。この家から成立は明治である。大正15年（1926年）に断絶し、名跡は華族位となった。
梨本宮家
伏見宮貞敬親王第九王子・梨本宮守脩親王に始まる家。皇族で唯一戦犯となった、梨本宮守正王で有名。
北白川宮家
厳密に言えば違うのだが、伏見宮邦家親王第十三王子・北白川宮智成親王に始まる家（宮号自体はその兄聖護院宮嘉言親王から継いでる）。その北白川宮智成親王もすぐに亡くなり、兄の北白川宮能久親王が後を継いだ。三代続いて海外で客死したことで有名。
駕陽宮家
久邇宮朝彦親王第二王子・駕陽宮邦憲王に始まる家。なお、以下はすべて近代宮家から枝分かれした家。初代駕陽宮邦憲王は終生京都を離れなかった。
朝香宮家
久邇宮朝彦親王第八王子・朝香宮鳩彦王に始まる家。南京事件当時の司令官だったため、アメリカから追及されかけたこともある。
東久邇宮家
久邇宮朝彦親王第九王子・東久邇宮稔彦王に始まる家。皇族唯一の首相としておなじみのあの人。
- 稔彦王
竹田宮家
北白川宮能久親王第一王子・竹田宮恒久王に始まる家。オリンピック委員会でおなじみの家である。
- 恒久王
- 恒徳王
東伏見宮家
伏見宮邦家親王第十七王子・東伏見宮依仁親王に始まる家。というかこの人があちこちたらいまわしにされた存在であり、一代で終わった。
- 依仁親王
関連項目
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