電子の2重スリットの実験とは、光を用いたヤングの実験の光ではなく、かわりに電子を用いたような実験である。量子力学における粒子性と波動性を実験で説明できる。
概要
2重スリット
以下の図のような2重スリットを考える。奥にあるのはスクリーン上の点Pである。二つのスリット1とスリット2がある。スリット間、スクリーンまでの距離とスリットから電子が到達するであろう線分がrである。
図1:電子の2重スリット
1と2における確率振幅をA1、A2として、位相は一致して以下のようになる。また、スクリーンにおける点Pでの確率振幅をA12とすると、p=h/λとして、
式1:A12の相対強度
となる。
また、
式2:r_2 - r_1
式3:存在確率の変化する部分
から生じることとなる。これは、以下のように考えられて、cosの中身は、
式4:模様の分布
というように存在する確率の大きい場所と小さい場所が表れる。このようにして、点々とした模様のような変化が観測される。
図2:スクリーン上の電子の点
このように、スリットを通過するときは波動性が表れるが、スクリーン上では電子の点が観測され、粒子の波動性と粒子性が綺麗に表れているのである。
この実験はとても有名で、物理学のいろいろな実験屋さんが実験をしてデータを取っていると思う。
物理学的な位置づけ
粒子と波動の2重性は、古典物理学では説明できない。これは、古典物理学の適用限外の現象であり、この領域で成り立つ理論が他にあるはずで、そのようなものを説明するのが量子力学である。
関連項目
- 2
- 0pt








