「コロブチカ」(カローブシュカ、Korobushka 、露語: Коробушка)とは、ロシア民謡「コロベイニキ」(カラビェーイニキ、 Korobeyniki 、露語: Коробейники)の通称。
ロシア生まれのゲーム『テトリス』のBGMの一つとして名高く、また日本ではフォークダンスの代表曲でもある。
概要
コロベイニキは行商人、コロブチカは行商人の荷物(箱)を意味し、いずれも歌詞から取られた名前である。
このためさらに歌詞から採録して「四つ子の木箱と行商人」というタイトルがつけられることもある。
ニコラーイ・アレクセーエヴィッチ・ネクラーソフという雑誌編集者が1861年に発表した『行商人』という詩を元に作られた歌詞に曲が付けられて誕生。単純な旋律を繰り返すだけだが、シンプルでわかりやすいロシア民謡として大衆の人気を得た。
日本では戦後にフォークダンス用に同曲が輸入されたことで知名度を上げ、さらにゲームボーイ版初代テトリスでBGM(TYPE-A,後期ロットのみ)として採用され、さらにゲームボーイが世界的に大人気を博したことで同ソフトも世界的な知名度と人気を獲得した。そのため、同曲の知名度はどちらかというとテトリスのBGMに立脚することが多い。
一応FC版テトリスにも収録されているが、タイトル画面というやや地味な扱いに加え、あっちにはTECHNOTRISという名曲が控えているので空気。
単純な旋律を繰り返しつつ徐々にテンポが上がっていくという流れが、単純な作業を繰り返させられつつブロックの速度が徐々に上がっていくテトリスに非常によくマッチしている。
ただし原曲ではテンポは速くならず、さらに歌詞では行商人の若者とその客の黒目がちな村娘(名前はカーチャ)が二人の取引の場であるライ麦畑でついに一夜を共にするという筋書きのため、この歌詞がクローズアップされることはあまりないようだ(とはいえ、「良心にとがめるような不埒な秘め事」程度の、今日的には穏当な言い回しだが)。
歌の方では二人が結婚を誓い合いハッピーエンドを迎える。しかしそれは『行商人』の物語のほんの一部に過ぎず、元の詩の続きでは若者は行商に成功して大金を手にするものの、娘のもとへ帰る途中で方角を訊ねた男に金目当てで殺されてしまう。娘は誓いの品であるトルコ石の指輪を手に若者の帰りを待ち続ける……という、何ともあんまりな結末に終わる。
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関連項目
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