731系とは、JR北海道(北海道旅客鉄道)が所有、運用している通勤形電車である。
概要
1988年(昭和63年)にJR北海道が満を持して導入した721系。
その接客サービスと多少のトラブルはあったものの[1]性能は利用者に万雷の拍手を持って迎え入れられた。
しかし、ここでまた問題となったのがラッシュ対策である。721系自体もJR北海道の過去の経験を生かし、乗降扉の増設や広い客室仕切り扉といった設備を持つ車輌ではあるのだが、混雑時に降車出来なくなると考えた乗客の行動[2]や、冬季の乗客の着膨れ対策に欠けるなど、完全な決め手に欠けていた。
そこで、従来の北海道(極寒地)向け装備を施した車輌から、「ラッシュ対策」に特化した通勤型電車を導入することとした。これが731系である。
北海道向け鉄道車輌といえば車内保温の為にデッキ付、二重窓(更には小窓)といった極寒地向け装備は当たり前だったのだが、この形式はデッキを廃し、代わりに乗降口上部にはエアカーテンを設置した上で大人二人が並んで乗っても余裕があるほどの幅のある一枚ドアを採用した。
さらには、通勤形電車の名のとおり全車オールロングシートである。
「オールロングシート?何を今更(笑)」と笑われる読者の方もいるであろうが、この当時のJR北海道の車輌は(一部の試験車輌を除いて)座席がロングシート「のみ」の車輌が存在せず、全車(編成)ロングシートの車輌に乗るには札幌市営地下鉄まで出向かねばならなかった。
この車輌の設計思想は、当時の北海道としてはそれほど衝撃的だったのである。
JR北海道の利用者も衝撃的だったのであろうか、731系の導入間もない頃は、
( ・∀・)( ・∀・)( ・∀・)( ・∀・) ← こういう感じで並んでいた乗客の皆さんが、731系が入線して来るのを見るなり、
( 'A`)( 'A`)( 'A`)( 'A`) ← 一斉にこういう顔になっていた事がある。[3]
1996年から2006年までの11年間にのべ63輌21編成が生産され、全車健在で札幌運転所に配置されている。2024年現在は他の札幌圏の3両編成の電車と共通運用となっている他、朝ラッシュ時はキハ201形との協調運転も行われている。この電車と気動車の協調運転は、2024年時点では日本唯一となっている。
また、アルミニウム合金車体の酷寒地向け試験車輌としてこの形式を基にして設計された735系が2010年に試験導入され、さらには2012年に電化開業した札沼線(学園都市線)向けにこの車輌の発展型である733系が導入されている。
関連動画
関連項目
脚注
- *詳しく話すともう一つ記事が書ける位長くなるので省略するが、初期導入車は空転に悩まされた。現在は解決済みである。
- *簡単に言うと、乗降口前(デッキ)に溜まるのである。それも10人も15人も。
- *編集者の体験談である。札幌駅で2度程目撃した。
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