プロボックスとは、トヨタ自動車の発売するライトバンである。兄弟車にサクシードが存在する。
従来、トヨタの小型貨物バンはカローラ/スプリンターが代々担当してきたが、1991年以降はモデルチェンジがなく、またライバルである日産ADバンが1999年にモデルチェンジをすると、陳腐化が顕著となってきた。そこで既存のカローラシリーズから決別をし、貨物専用のライトバンを設計し、2002年に完成したのがプロボックスである。
これまでライトバンはワゴンシリーズの化粧直しで登場していたが、プロボックスではまず貨物用途ありきで設計された経緯があり、このクラスのみならず日本車の中でも異色のものとなっている。バンの他にも5ナンバーワゴンが設定されている。
内装は実用一辺倒で質感に乏しくプラスチックが目立つものとなっている。しかし、収納に関してはあちこちに設置されており、またそのサイズもA4・B5サイズのファイルなどが入るようになっている。また、インパネの下部は蓋つきになっており、オプションでその内部にAC100Vの外部電源を設ける事が出来る。そして一番の特徴であろう引き出し式テーブルがある。主に車内で弁当を食べたり、伝票の起票などに使う事のできるテーブルである。
荷室は1800mm×900mmコンパネの平積みが可能で、A4コピー用紙箱が89個、みかん箱が36個とカローラバン時代よりも積載性を上げている。なお、兄弟車のサクシードはA4用紙が90箱となっている。1個分少ないのはプロボックスにはセパレーターバーが存在する関係と思われる。最大積載量は駆動方式に関係なくカローラ時代と同じ400kgである。
足周りにも大きな特徴があり、基本的には初代ヴィッツのものを利用しているが、後ろ半分は独自のものとなっており、ばねも樽型のものを採用し、ショックアブソーバーも傾斜したものとなっている。これによりリアホイールハウスの荷室への張り出しを抑えながらも走行安定性を高めている。
外装は現代的な曲線を多用したものではなく、板金のしやすさなどを考慮した直線的なデザインとなっている。メッキ類もなく色気もそっけもないが、それがかえって陳腐化を防いでいるかもしれない。車高は日本のタワーパーキングに合致する高さとなっており、日本の都会の事情を徹底的に研究している。
あまり知られていないが、安全性能が高く、登場当時における安全アセスメントでは最高の評価を得ている。エンジンは1500cc・1300ccのガソリンエンジン、天然ガスの1500ccが設定されており、軽量な車体としっかりとした足周りで走行性能もライトバンらしからぬものと言う評価もある。なお、登場当時にはディーゼルエンジンが設定されていたが、現在ではカタログ落ちをしている。珍しくCNG以外のすべてのグレードでマニュアルミッションの設定がされているのも特徴で、特に注目なのは4WDでもマニュアルの設定がある事である。
なお、この車の灰皿はこの時代の車としては比較的大型のものとなっている。これもまた喫煙者の多い営業マンの意見を取り入れたものである。
このように徹底的なリサーチを重ねた結果として、非常に合理的な設計の車となっている。販売はカローラバンの後継と言う事でカローラ店が販売をしている。また初期においてはスプリンターバンの代替と言う事でネッツ店においても販売されていた。
登場以来、大幅な改良がおこなわれなかったプロボックスであるが2014年に足回りの改良が伴う大幅なマイナーチェンジ(以下MC)が行われた。
今回のMCでは外装ならびに内装が大幅に改められた。歩行者の衝突安全にも対応した造りとなり、精悍な顔つきとなった。また、設定塗装も増えた。一方で後部のデザインはそのままであり、後ろから見た限りでは変化が見いだせない。内装はインパネが改められ、合理的なつくりはそのままに運転者にインフォメーションが集中する風になった。荷室は既に完成されたパッケージングであるので、そのままである。
エンジンは1300ccが新型の1NR-FEとなり、パワーが大幅に増加した。その一方でCNG燃料車はカタログ落ちした。前半分の足回りは現行のヴィッツのものになり、ギアも4速ATからCVTへ変更となった。残念な事に5速MTの設定が消滅した。同クラス唯一の4WD+MTの組み合わせがあった。
グレード体系も従来のワゴンのグレードであるFがトップグレードとなっている。なお、このMCの直前にワゴンモデルは廃止になっている。
なお、このマイナーチェンジによってサクシードは完全に姉妹車となり、リアのデザインや積載量400kgもプロボックスと同等となった。
本体価格や税金の安いライトバンベースのカスタムは従来より存在していたが、特にトヨタはカローラバンからクラウンバンに至るまでベース車になる事が多かった。この車においても例外ではなく、また独特の外装ゆえにカスタマイズが色々存在している。
他にもAE111レビン/トレノに搭載されている6速MTを小加工で取り付けられたり、スーパーチャージャーを取り付けられたりして、営業快速ならぬ営業快特にすることも可能である。他にも天然ガス車のエンジンは通常のガソリン車と比べてもピストンなどが強化されており圧縮比も高くなっている。その為、簡単にハイコンプエンジンが作れるらしい。
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最終更新:2024/06/07(金) 02:00
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