おかわりもいいぞ!とは、普段満足な食事を食べられない子供に対してカレーをたくさん食べさせようとする大人の気遣いである。
元ネタは徳弘正也の漫画『狂四郎2030』。ディストピアと化した近未来の日本を舞台にした漫画である。この「おかわりもいいぞ!」のセリフが出たシーンは主人公の廻狂四郎が少年時代の少年兵育成のための施設時代を回想している場面である。
この施設では訓練で子供たちを競わせ、優秀な者にはいい食事を与え、成績の悪いものにはごくわずかな食事しか与えないという虐待まがいの教育をしていた。狂四郎は成績トップであったため常に優遇されてはいたものの、親友の一人宇治田は成績が悪く常に空腹を抱え、狂四郎たちからコッソリ食事を分けてもらってようやく生きている状態であった。
しかし、この日は成績に関係なく子供達全員にカレーが振る舞われた。いつもは子供達を厳しく叱りつける教官たちも普段とは打って変わって子供たちにカレーを勧め、その際に出たのがこの「おかわりもいいぞ!」というセリフである。
宇治田は普段の扱いからおそるおそるおかわりの皿を配膳担当の教官に差し出すものの、「遠慮するな 今までの分食え…」 とほんとにおかわりをもらえてしまう。宇治田は「うめ」「うめ」「うめ」と久方ぶりのまともな食事を満足いくまで堪能するのであった。これには親友の狂四郎もおもわずほっこりとし、過酷な訓練の日々の中での輝く思い出になる……はずだった。
ただ今よりネタバレを開始する!!
子供達がカレーを食べ終わった直後、教官たちはおもむろにガスマスクを装着する。
「ただ今より毒ガス訓練を開始する!!」
教官の命令と同時に、通風孔から放出される嘔吐ガス。たちまち部屋に毒ガスは充満し、子供達は食べたばかりのカレーを吐き出し、阿鼻叫喚の地獄絵図となる。成績に関係なくカレーを腹いっぱい食べさせたのはこの毒ガス訓練のためだったのだ。
「心配するな計算上死ぬ事はない!!」「ただし…いやしく腹いっぱい食った奴ほど苦痛は続く!!」
そして訓練が終わったとき、宇治田は吐瀉物にまみれ、息絶えていた。吐瀉物が気管に入って窒息したのか、あるいはわずかな食事しか与えられていなかったために体力がなくなっていて苦痛に耐えられなかったのかは不明だが、このことは狂四郎にとって心の傷となって残り、そして読者にとってもみんなのトラウマとなったのである。
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最終更新:2023/03/22(水) 10:00
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