いわゆる「なれずし」、「いずし」の一種。もともとは、北陸地方の正月料理であった。全国的には石川県で作られたかぶら寿司が有名だが、富山県でも南砺市福光地区を中心に盛んに製造されている。
毎年11月~1月頃まで盛んに製造されている。切れ込みを入れたかぶを塩漬けにし、その後、塩漬けにしたブリ、ニンジン、昆布を切り込みに挟みこみ、米麹を入れて重しを乗せて押し寿司状態にし、数日間~数週間かけて漬け込む。
食べる際は適当な大きさに切り分け、そのまま食べる。なお、かぶら寿司は足が早いため、保存せず早めに食べることを推奨する。
かぶら寿司の発祥は文献が残っておらず不明だが、「伝演味玄集」や「料理珍味集」という17世紀(江戸時代)に書かれた料理に関する文献に、かぶら寿司と思われる記述が残っており、少なくとも17世紀ごろには存在していたと考えられている。[1]
このかぶら寿司は、室生犀星や泉鏡花など金沢を代表する文豪にも愛され、それに関する文献が数多く残っている。大正9年に書かれた「寸情風土記」では、泉鏡花が尾崎紅葉にかぶら寿司を送った際、大変喜ばれたという記述がある。[2]
また、婦人画報の創刊80周年記念12月号には、室生犀星の娘の室生朝子が、父親とかぶら寿司について手記を寄せている。[3]
「父犀星が元気であった頃は、東京にいると、金沢からの客でもないかぎり、蕪ずし(かぶら寿し)は食べられなかった。」
「そして真ん中の一番多く鰤のはいっているところを、ふたきれ犀星につける。母と私はいつも端の鰤の少ないところを食べていたのである。」
前述の通り、かぶら寿司は石川県と富山県の名産品であるが、使用する具材は若干異なっている。石川県のかぶら寿司は、挟み込む具材にブリを使うのに対して、富山県ではサバを使用する。富山県東部ではシャケを使うところも存在する。また、かぶの種類も、石川県では「金沢青かぶ」という品種が使われるのに対して、富山県では大かぶが使われている。これは、富山県富山市婦中町の音川地区が大かぶの一大生産地の1つとなっているからである。[4]
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最終更新:2025/12/06(土) 06:00
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