さらば真選組篇とは (サラバシンセングミヘンとは) [単語記事]

さらば真選組篇とは、漫画『銀魂』における長編エピソードの名称である。
なお後述もするが、長編名は「一国傾城篇」とともに原作者・空知英秋本人がつけたと公言している。

概要

原作の第五百二十五訓から第五百五十一訓までに亘って描かれた長篇エピソード。将軍暗殺篇よりも長い話数で、一橋家率いる現幕府の暴挙により離散の憂い目に遭った万事屋、真選組、攘夷志士らの面々の団結を描く。

「将軍暗殺篇」のラストで徳川（一橋）喜喜が将軍になり将軍・徳川茂茂が暗殺された。将軍の訃報を前に、虚ろな目をして茂茂の葬儀に参列したそよ姫をはじめ、命を賭けて将軍を守った者たちが悲愴感に包まれる鬱々とした展開から始まる。

松平片栗虎、近藤勲の両人は徳川茂茂暗殺を阻止できなかった罪で「斬首」を言い渡され、見廻組に拘束。監獄の島・黒縄島へ幽閉される。真選組局長不在およびそれをとりしきる警察庁（元）長官が失脚したため、事実上真選組は解体。見廻組局長・佐々木異三郎が警察庁長官となった。

真選組屯所は封鎖され、隊士はバラバラになってしまう。そんな中土方は同心・小銭形平次、ハジらのもとで岡っ引をしていた。一方、一連の事件に関わったとして万事屋銀ちゃんも封鎖され、万事屋もバラバラになった。

土方はキャバクラ・スマイルにて銀時と再会する。そこへ徳川喜喜と見廻組が現れ、キャバ嬢を刀で切り捨てた。刃傷沙汰を起こした喜喜たちは反抗の意を示したお妙に矛先を向けたが、銀時が喜喜の顔面を殴打・逮捕されかけたところへキャバ嬢に扮した桂小太郎が登場する。桂は自身を囮に土方と銀時、小銭形、ハジ、お妙らをその場から逃がした。桂はその場で逮捕されたが、黒縄島へ幽閉を装って潜入し、松平と近藤の脱獄を幇助する。

一方沖田は攘夷志士に囲まれヤケになって斬りかかろうとしたものの、神楽にそれを阻止される。また攘夷志士の中には斉藤や山崎らもおり、彼らは桂一派でエリザベス主導のもと真選組と桂一派で協力、黒縄島へ幽閉された松平、近藤、桂の奪還をもちかける。

屯所にて土方も合流し、彼らを救出するため、万事屋、真選組、桂一派攘夷志士が手を組んで黒縄島にて見廻組や奈落と戦う。また、後方支援としてお妙、小銭形、ハジらも同行する。

この長編にて吉田松陽の素性と真選組、見廻組の一部隊士の出自が判明。ストーリーは「烙陽決戦篇」へと続き、地球における天導衆の元来の目的が明かされ、快援隊、鬼兵隊、春雨をも巻き込んで戦いはさらに激化する。

今回の長篇名は自分でつけました。
別れの挨拶くらいはちゃんと言ってやらないとね

－『銀魂』・単行本60巻の原作者コメント－

“さらば真選組”という長編名と“別れの挨拶”という言葉が意味することは長編ラストでわかる。「将軍暗殺篇」と同様、ファンにとっては特別な意味をもつ長編となった。なお空知自身がつけたと公表している長編名は他に「一国傾城篇」がある。

テレビアニメでは2016年 2月～3月に「将軍暗殺篇」から続けて放映。本放送第3期『銀魂ﾟ』の最後の長編である。第308話～第316話が「さらば真選組篇」にあたり、「将軍暗殺篇」および「吉原炎上篇」を超えて全9話というアニメシリーズにおいて、「烙陽決戦篇」が放送されるまでは最長のエピソードであった。

「さらば真選組篇」専用のロゴおよびキービジュアルもあるが、「将軍暗殺篇」を文字や「／」の部分を赤地から青地にしただけのものである。2016年 1月27日にはテレビ東京およびバンダイナムコピクチャーズの公式サイトが「さらば真選組篇」仕様のものへ変更された。