ザ・スターリンとは (ザスターリンとは) [単語記事]

概要

1979年に、セックスピストルズやテレヴィジョンといったパンクバンドに影響を受けたボーカルの遠藤ミチロウを中心に結成された自閉隊というバンドが前身。その後、1980年に｢世界で最も嫌われている男の名前ならすぐに覚えてもらえる｣という理由でバンド名を命名。

(バンド名に関して、実際にベルリンの壁崩壊後に東欧ツアーへ行った際、ポーランドの野外ロックフェスに出演する事になったが「君たちなんて言うバンドだ？」と聞かれ「スターリンです」と答えたら「マジかwww」と大ウケされ、ライブに観客が大勢集まって大成功した、とかなんとか)

結成当時は普通に演奏していたが、当時は客のノリが悪くイライラしていた遠藤がヤケになって服を脱いだらウケた為に、そこから段々とライブが過激になっていった。

ライブをやる度に遠藤のパフォーマンスは過激さを増し

裸で歌うのは勿論、その後何故か客と殴り合う(ミチロウ氏いわく、客とのコミュニケーション)→客が殴り返す→スタッフが飛び蹴りをかます→客同士が殴り合う(以下ループ)

という無茶苦茶なライブが定番となり、その他にも

観客席にイノシシを放つ、牛乳にウンコを混ぜて客に浴びせる、客に向かって放尿、ライブ中にオナニー、バクチクを投げ込んで大騒ぎ、全裸になった遠藤のチンコを最前列の女の子が突然咥えだす(でも遠藤は勃たなかった)、豚の内臓や頭(1個1000円らしい)を投げ込む、学園祭で全裸になって逮捕され女性週刊誌にスッパ抜かれる、ドラムが突然失踪するもその後泣きながら帰ってくる、テレビの生放送でノリの悪い客席に最期にダイブしたら観客ドン引きのまま番組終了、愛知の高校生が髪型をモヒカンにしてオーディションを受けに来た(その高校生は後の中村達也で、後で先生に滅茶苦茶怒られたとの事)、ライブ中に生きたニワトリを飛ばしたらライブ後にバラバラになっていた等

書き出したら枚挙にいとまないがこんな過激な事をしてきた事で一躍有名になり、今でも日本のパンクと言えばこのバンドと言われるほど人気がある。ただ余りに過激過ぎてレコードの歌詞を書き直させられたりもした。因みに当時所属していたレコード会社のザ・スターリンのディレクターは、参加した役員会議の最中にザ・スターリンを馬鹿にした役員にムカついて、会議中に爆音で彼らのレコードをかけたりと、何だかもう滅茶苦茶だったようだ。

過激なパフォーマンスばかりが先行しがちだが、遠藤の書く右翼どころか左翼にも喧嘩を売るような｢ロマンチスト｣という曲や、中身の無い空っぽの人間を揶揄する｢天プラ｣という曲に見られる捻りの利いた歌詞や、攻撃的ながらどこかポップな曲が音楽家だけでなく様々なジャンルの人間に影響を与えた。

有名なファンと言えば筋肉少女帯のボーカル大槻ケンヂ氏もスターリンのファンで、学生時代夜中に突然豆腐をぶつけあうスターリン遊びを始めたり、最近では声優の上坂すみれ嬢がスターリンのファンであると公言しており、自分のラジオ番組でよりにもよってスターリンの曲を流し、楽しそうに歌詞について語りだしたりと、色々と間違った方向にも影響を与えていたようである。

また、グループ魂とライブで競演した際、メンバーの港カヲルが自分のお母さんをライブに出演させ、遠藤が目の前で代表曲である「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」を歌ってあげたら鬱病になってしまったという逸話もある。

映画「爆裂都市」にマッドスターリンというバンドとして出演し、当時のライブでやっていた拡声器で叫んだり豚の臓物を投げる、客に向かって放尿などのパフォーマンスを披露したが、遠藤は自分の演技力の無さに凹んでしまい、二度と役者はやらないと決めていた。(が、のちに宮藤官九郎の映画「少年メリケンサック」に居酒屋の店長役で出演。下戸なのに)