SHARP X1(エックスワン)とは、シャープテレビ事業部にて製造されていたパソコンの名称である。富士通のFM-7、NECのPC-8801と並んで8bitパソコンの代表的な存在だった。
なお、同社で発売されていたMZシリーズは、シャープ電子機器事業部にて製造されていた。
X1シリーズは1982年~1988年に発売された。
「パソコンテレビ」と銘打ち、テレビ画面とパソコン画面の重ね合わせ(スーパーインポーズ)を実現。また、パソコンのキーボードやプログラムからテレビのチャンネルや音量を操作できるなど、AV機能に優れていた。
すでにシャープでは1978年からMZシリーズを発売していたが、ビジネスや技術系を中心にしたコンセプトだったためにグラフィック能力が非常に貧弱であった。
対してX1シリーズはホビーユースを中心に設計され、320x200及び640x200デジタル8色のグラフィックや、ユーザーが自由にキャラクタを定義できる機能(PCG)、さらに3音のPSGを標準搭載したことで、価格設定はやや高めながら好調な売上を記録し、NEC PC-8800シリーズ、富士通FM-7/77AVシリーズとともに8ビットパソコン御三家の一角となった。
ホビー主体の路線は、後継機となるX68000にも受け継がれた。
初代X1を始まりとするモデル。
非常に高速で本体側からのコントロールが可能な高性能データレコーダを内蔵しており、他機種に比べ比較的遅い時期までテープのソフトが販売されていたことが特筆される。
FDD採用は早かったが3インチという全く普及しなかったメディアだったため、他機種のようなた5インチFDD採用はむしろ遅れてしまった。
1984年発売。X1とは上位互換性を持っていた。
VRAMが増量され、640×400ピクセル 8色の表示に対応できるようになり、転送スピードも向上された。
さらに漢字VRAMの採用により、PC-9801に迫るほどの高速な日本語処理を実現した。
また、割り込み機能の強化のためDMAを採用し、処理中でのディスクアクセスにも対応できるようになった。
1986年発売。
X1 turboシリーズの更なる上位互換性を保っている。
グラフィックでは320x200ピクセル 4096色同時発色及び640×400ピクセル 4096色中8色同時発色に対応。ハードウェアスクロールや静止画キャプチャー機能を搭載した。
サウンド面も強化され、すでに発売中ではあったがオプション扱いであったFM音源ボード(OPMステレオ8音)を標準装備した。
X1turboZの登場によりようやくFM音源対応のソフトが増えだしたが、強化されたグラフィック機能を生かしたソフトは殆ど出ずに終わった。
また、同時期に発売したX68000にシフトするようになり、X1シリーズは静かにメインの座を譲った。
機種名 | 型名 | 発売月 | 備考 |
X1 | CZ-800C | 1982年11月 | X1の初代機 |
X1 C | CZ-801C | 1983年10月 | 本体・キーボード一体型で、プロッタプリンタが内蔵可能。 |
X1 D | CZ-802C | 1983年10月 | 3インチFDD1基を搭載。 |
X1 Cs | CZ-803C | 1984年6月 | X1 Cのプロッタプリンタ用スペースに拡張用I/Oポートを2基内蔵。 |
X1 Ck | CZ-804C | 1984年6月 | X1 Csに漢字ROMを搭載。 |
X1 turbo model 10 | CZ-850C | 1984年10月 | X1の上位機種。データレコーダー内蔵。 |
X1 turbo model 20 | CZ-851C | 1984年10月 | X1の上位機種。5インチ(2D)FDD×1基内蔵。 |
X1 turbo model 30 | CZ-852C | 1984年10月 | X1の上位機種。5インチ(2D)FDD×2基内蔵。 |
X1 F model 10 | CZ-811C | 1985年7月 | NEW BASIC(CZ-8F(C)B01 V2.0)を搭載。 |
X1 F model 20 | CZ-812C | 1985年7月 | NEW BASICを搭載。5インチ(2D)FDD×1基内蔵。 |
X1 turbo model 40 | CZ-862C | 1985年7月 | turbo model30のビジネス仕様機。 |
X1 turbo II | CZ-856C | 1985年11月 | turbo model30と同仕様の廉価モデル。 |
X1 G model 10 | CZ-820C | 1986年7月 | 縦置き可能な筐体。データレコーダー内蔵。 |
X1 G model 30 | CZ-822C | 1986年7月 | 縦置き可能な筐体。5インチ(2D)FDD×2基内蔵。 |
X1 turbo III | CZ-870C | 1986年11月 | FDDを2HD / 2D両対応に変更 |
X1 turbo Z | CZ-880C | 1986年12月 | X1の最上位シリーズ。AV機能を強化。 |
X1 twin | CZ-830C-BK | 1987年12月 | 「HEシステム」(PCエンジン)内蔵のハイブリッド機。 |
X1 turbo Z II | CZ-881C-BK | 1987年12月 | turbo Zに拡張RAM 64KBを追加。 |
X1 turbo Z III | CZ-888C-BK | 1988年12月 | 全シリーズ通じての最終機種。 |
以下は、ニコニコ市場で確認できた商品。ほとんどが絶版であるが、中には中古品で購入可能なものもある。
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最終更新:2024/04/24(水) 06:00
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