ティベリウス 単語


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ティベリウス

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ティベリウス / ティベリウス・カエサルアウグストゥス(紀元前42~紀元37)とは、第二代ローマ皇帝である。

概要

タキトゥス、スエトニウスといった同時代の歴史からは嫌われ、当時の記録には悪しざまに記されている。しかし、それは隠遁を好んだ彼のパーソナリティローマ市民に奉仕する存在である皇帝と合致しなかったことに起因しており、皇帝としては守成を務めた人物であった。

継承問題

紀元前42年、名門クラウディウスのティベリウス・クラウディウスネロとリウィア・ドルシアの間に生まれた。しかしオクタウィアヌスと敵対した大ティベリウスは妻と離縁し、リウィア・ドルシアオクタウィアヌス、つまり初代ローマ皇帝アウグストゥスの妻となり、いつの間にかティベリウスは継子となっていたのである。

しかし、ティベリウスは皇帝継承者の立場になるには複雑な事情があった。紀元前25年にカンブリアに配属されたのをきっかけに、の大ドルススとともに各地を転戦する。紀元前13年には初の執政官職を得た。ところが、ここでアウグストゥスであるユリアとの婚姻を命じられたのである。

その理由は亡くなったアグリッパに代わり、ユリアアグリッパ息子である、ガイウスとルキウスの後見人を務めるためであった。しかしティベリウスはユリアに好意を持てず、ロードに引きこもってしまったのだ。

紀元前2年、ユリアは不義を働いたとしてパンダテリアに流刑に処された。さらにユリアの子であるガイウス、ルキウスの兄弟も相次いで亡くなった。そこでアウグストゥスは仕方なしにティベリウスを後継者と定め、ティベリウスは皇帝後継者として再び各地を軍事遠征する日々に戻ったのであった。

そして紀元14年にアウグストゥスが亡くなる。もう一人の後継者補だったアグリッパポストゥムスは殺されており、ティベリウスの前途多難な2代目としての日々が始まったのであった。

皇帝ティベリウス

ティベリウスはすでに紀元12年に最高権力を授与されていた。しかしどうもティベリウスは共和制の伝統を支持していた節があり、政権を引き継ぐのに遠慮を見せ、元老院を苛立たせた。

さらに各軍団は支配者の交代に乗じて怪しげな動きを見せ、息子・小ドルススを送りパンニア軍はなだめたものの、ライン方面軍の反乱は深刻なものであった。この動きに対し、養子・ゲルマニクスにあたらせ、何とか鎮圧をしたのであった。

このようにティベリウスの統治初期は小ドルススとゲルマニクスが重きをなされた。特にゲルマニクスはライン方面軍を率い、ゲルマン民族の対処に一定の功績をあげた。そして紀元18年にゲルマニクスは執政官に任じられたのである。ところが、ゲルマニクスははシリアで総督のピソと対立。さらにエジプト訪問という越権行為まで働いた末に、紀元19年に亡くなってしまったのであった。なお、ピソはこの責任自殺させられた。

そして次に継承者とみなされたのは小ドルススである。ところが小ドルススも紀元23年に息を引き取る。その背後にいたのは小ドルススの妻リウィラ、そしてリウィラの愛人であった親衛隊長セヤヌスであった。

ティベリウスがカプリ島に隠遁すると、取次を務めたセヤヌスの権勢はますます増し、ゲルマニクスの未亡人大アグリッピナと長男ネロカエサル、次男ドルスス・カエサルの怪死にもセヤヌスが関わっているとまことしやかにささやかれた。

しかし紀元31年に執政官にセヤヌスが任じられると、執政官の決まりでローマを動けなくなり、ティベリウスとの連絡役の任ができなくなったのである。この結果セヤヌスの追い落としがもくろまれた。ティベリウスの義妹アントニアからの密告に起因し、ティベリウスは子飼のマクロにセヤヌス逮捕させ、処刑したのである。さらに、セヤヌスの妻アピカタの遺書に、小ドルススの死がセヤヌスのせいであったことが記されており、セヤヌスは次々と処刑されていった。

ティベリウスの死

ティベリウスは隠遁生活をやめず、元老院との不協和音がなおも続いた。こうした中、ティベリウスは後継者問題に取り組む。補はゲルマニクスの息子ガイウス(後のカリグラ)と小ドルススの息子ティベリウス・ゲメルスであった。

しかし、ティベリウス・ゲメルスは若年で、しかもティベリウスは彼をリウィラとセヤヌスの密通による子と疑っていたため、結局ガイウスが後継者として選ばれたのである。

そして紀元37年にティベリウスは亡くなった。タキトゥスによると、ティベリウスはマクロに窒息死させられたとのことだが、史料の性質ゆえ、差し引いて考えなければないだろう。

隠遁者ティベリウスの死は、皇帝の務めを果たさず地に落ちた名のために、ローマ市民には喜びを持って迎えられたとされる。しかし、カリグラ遺体を丁重に扱い、埋葬された。アウグストゥスのように神格化されることはなかったが、以後公式の非難は口にされなかったのであった。

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