監督はブレイド2、ヘルボーイシリーズで知られるギレルモ・デル・トロ。
タイトル通り“擬態(ミミック)”がテーマであり、人間に擬態する昆虫型のクリーチャーが捕食対象である人間を襲うパニック映画である。
アメリカ映画にありがちなアクション性の高い“動”の恐怖ではなく、前半は謎の連続誘拐殺人犯が姿をチラつかせるサスペンスやスリラーの空気を匂わせ、徐々に正体をあらわしていくクリーチャーへの緊張感・不安感を強調した“静”の恐怖が中心なのが特徴。
後半は一転、登場人物達がクリーチャーに追われ、襲われ、立ち向かっていくパニック映画と化していく。爆発シーンもド派手。
また、舞台設定が近未来であるにも関わらず、全体的にどこか古めかしい雰囲気が漂う作りになっている。
原作はドナルド・A・ウォルハイムの短編小説『擬態(Mimic)』。
邦訳を掲載した『SF映画原作傑作選 地球の静止する日』には要点を押さえた作品解説が付いており、この小説がどうやってこれほどまでに原形をとどめていない映画になっていったのかについて大変参考になる。
近未来のニューヨークでは、ゴキブリを媒介とするストリックラー病が流行し、多くの子供の命が奪われる事態に陥っていた。更なる事態の悪化を塞ぐため、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のピーターは昆虫学者のスーザンに感染源であるゴキブリを全滅させる天敵の“創造”を依頼する。スーザンは遺伝子操作によって、シロアリとカマキリを掛け合わせた新種の昆虫“ユダの血統”を生み出した。“ユダの血統”はゴキブリを一掃し、遺伝子に組み込まれた自然死プログラムによって死滅。ニューヨークは平穏な日常を取り戻した。
数年後、ニューヨークでは駅周辺のホームレスが行方不明になる事件が多発していた。ピーターは行方不明になった牧師のいた教会の捜査のため召喚され、教会の一室で天井に貼り付いていた“謎の糞”を採取する。時を同じくして、スーザンも“奇妙な幼虫”を入手し、調査の結果“ユダの血統”が死滅してしない事実を知る。スーザンとピーター、そして牧師を連れ去った“変な靴のおじさん”を目撃した少年チューイ。彼等の付近を“ロングコートの男”が暗躍する……
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最終更新:2025/12/06(土) 10:00
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